高校野球「春の甲子園(センバツ)」と「夏の甲子園」の違いは?
高校野球の大会「春の甲子園」と「夏の甲子園」の違いを詳しく紹介。特に注目すべきは「出場校の選出方法」。センバツと呼ばれる「春の甲子園」は、出場校の選出方法が少し複雑です。
「春の甲子園」と「夏の甲子園」と言えば、どちらも兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われる高校野球の大会ですね。
春と夏の年2回開催されているこの大会、同じようでいて実はいろいろ違いがあります。
その違いをみていきましょう。
全国高等学校野球選手権大会
通称
甲子園、夏の甲子園、夏の高校野球
1915年(大正4年)
※甲子園球場がオープンしたのは1924年。
その年開催された第10回大会より、 会場が甲子園球場に変更されました。
朝日新聞社・日本高等学校野球連盟
49校 (記念大会では55校)
大会歌
「栄冠は君に輝く」(1948年~)
開会式入場行進曲
「大会行進曲」
開会式入場行進プラカード先導役
西宮高等学校2年生の女子生徒
1日4試合
深紅
各都道府県から必ず1校(参加校が多い東京と北海道は2校)出場
甲子園出場をかけた地方予選が各府県で開催され、トーナメントを勝ち上がった優勝校が、都道府県代表として出場。
選抜高等学校野球大会
センバツ、春の甲子園、春の高校野球
1924年(大正13年)
※甲子園で開催するようになったのは、第2回大会以降です。
記念すべき第1回は、まだ甲子園球場ができていなかったため、名古屋にかつてあった山本球場という球場で開催されました。
毎日新聞社・日本高等学校野球連盟
32校 (記念大会は1~4校程増)
「今ありて」(1993年~)
前年の話題曲が使われます。
※2017年は、星野源「恋」でした。
各出場校の生徒
※2007年まではボーイスカウトの高校生が務めていました。
1日3試合
紫紺
地域のブロックから選出されるので、代表校が出ない都道府県もあれば、2校以上出場するところもあります。
前年秋の大会成績などを参考に、高野連により選出される。
特に注目すべきは「出場校の選出方法」
春と夏、一番大きく違うのが出場校の選出方法です。
地方予選を勝ち抜き、優勝すれば甲子園出場と分かりやすいのですが、一方の春のセンバツ大会は少し複雑です。
センバツ出場には、秋の大会の成績が鍵を握っています。
夏の甲子園が終わって3年生が抜けた後、2年生中心の新チームによる公式戦が秋から始まります。
9月に各都道府県で秋季大会が始まり、10月にはその都道府県大会代表による地区の秋季大会、さらに全国の秋季地区大会上位10校による明治神宮大会が11月に行われます。
春のセンバツは基本的に32校が選ばれます。
「選抜」を決めるのは、高野連と毎日新聞社による選考委員会で、次の3つの選考枠があります。
- 一般選考枠(28校)
- 21世紀枠(3校)
- 神宮枠(1校)
以下に詳しく見ていきましょう。
前年の秋季大会での成績・戦いぶりに“地域性”を考慮し“多角的”に検討し“地区ごと”に決められます。
地区別出場校数は、北海道1、東北2、関東・東京6、東海2、北信越2、近畿6、中国・四国5、九州4で、全国9地区から計28校が選ばれます。
一定の成績を収めた上で、部員不足、悪条件のグラウンド、豪雪地帯、離島など困難な環境を乗り越えたり、ボランティア活動での地域貢献、県内屈指の進学校など“他校の模範“になっているかがポイントになります。
野球以外の努力も選考の対象になる特別枠です。
明治神宮大会での優勝校が“属する地区”は、センバツの一般選考枠が一つプラスされます。
地区予選で負ければ終わりの夏の甲子園と違い、優勝できなくてもその戦いぶりが評価され「選抜」されれば、甲子園に行ける可能性があります。
文武両道、勉強に力を入れている学校にも可能性があります。
秋季大会で優勝できなくても、その試合内容、学業や地域活動など“頑張っている”ことに目を向けてもらえ、甲子園出場のチャンスがあるのが春のセンバツです。
センバツ=選抜。
選ばれ選出された32校による高校生の野球大会です。
今年も部員がたった10人、控え選手ただ一人という学校が出場し、開会式では場内大拍手でしたね。
こんな高校球児たちに出会えるのもセンバツならではです。
|
|
|
|