セクハラ、パワハラ、過重労働による精神疾患が急増中!企業・職場が行うべきメンタルヘルス対策と実施方法
こんにちは、社会保険労務士の柳田真です。
厚生労働省によると、平成25年度に職場でのセクハラやパワハラ、過重労働により精神疾患になり労災申請をした人は、前年度比152人増の1409人。
過去最多となりました。
5年連続で1千人を超す高水準となっています。
一方、労災認定されたのは436人で、「嫌がらせやいじめ」「セクハラ」が原因だったケースが、共に過去最多となっています。
また、労災認定された人は前年度より39人減りましたが、過去2番目に多い数字となっています。
一方、企業の安全配慮義務違反を争点とする、民事損害賠償請求訴訟の件数も年々増加しています。
このような状況の中で、企業においてより積極的に「メンタルヘルス対策(メンタルヘルスケア)」に取り組むことは、経営リスクの面からも非常に重要な課題となっています。
それでは、どのようにメンタルヘルスケアを実施すれば良いのでしょうか。
今回はその基本的な考え方についてお話させていただきます。
まず、道標となるものとして、厚生労働省が平成18年3月に公示した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(以下「指針」)が挙げられます。
この指針は「事業場において、事業者が講ずるように努めるべき、労働者の心の健康の保持増進のための措置が、適切かつ有効に実施されるよう、メンタルヘルスケアの原則的な実施方法」が定められています。
心の健康づくりにおいて第一に重要なことは、「労働者自身がストレスに気付き、これに対処すること(セルフケア)の必要性を認識すること」です。
しかし、職場のストレス要因は労働者自身の力だけでは取り除くことが出来ないものもあるため、事業者によるメンタルヘルスケアの積極的な推進が必要不可欠であるとしています。
その上で、メンタルヘルスケアを推進するに当たって、次の事項に留意することが重要であるとしています。
- 評価方法が容易でないことや、発生過程には個人差が大きくそのプロセスの把握が難しいなど、心の健康問題の特性を理解する。
- 労働者の個人情報の保護への配慮をする。
- 職場配置、人事異動等の人事労務管理と密接に関係する要因によって大きな影響を受けるため、人事労務管理との連携が必要となる。
- 職場のストレス要因の他に、家庭・個人生活等の、職場外ストレス要因に影響を受けている場合も多いこと。
指針には、メンタルヘルスケアを効果的に推進するため心の健康づくり計画を作成し、その中で事業者自らが事業場におけるメンタルヘルスケアを積極的に推進することを表明すると共に、その実施体制を確立することが求められています。
心の健康づくり計画で、定めるべき事項は次の通りです。
- 事業者がメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明に関すること。
- 事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること。
- 事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること。
- メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源の活用に関すること。
- 労働者の健康情報の保護に関すること。
- 心の健康づくり計画の実施状況の評価及び計画の見直しに関すること。
- その他、労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること。
メンタルヘルスケアは、中長期的視点に立って、継続的かつ計画的に実施することが重要です。
また、その推進に当たっては、事業者が労働者の意見を聴きつつ実態に則した取り組みを行うことが必要です。
このため、事業者は衛生委員会等において十分調査審議を行い、心の健康づくり計画を策定することが必要です。
また、衛生委員会の設置義務のない小規模事業場(従業員数50人未満)においては、地域産業保健センターなど事業場外資源の提供する支援等を、積極的に活用するようにしましょう。
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やなぎだ労務管理オフィス、社会保険労務士の柳田 真(やなぎだ まこと)です。メンタルヘルス対策を重点業務としています。
また、年金事務所、労働基準監督署での勤務経験を活かし、労働問題、年金のご相談も幅広く対応しています。
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メンタルヘルス問題に関するコンサルティング業務(相談・復職支援・社内カウンセリング・教育)、労務コンプライアンス相談及び社内規程整備、助成金相談及び申請代行、障害年金請求手続代行など。
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社会保険労務士(東京都社会保険労務士会所属)
一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定 産業カウンセラー
中央労働災害防止協会登録 心理相談員
一般社団法人産業保健法務研修センター認定 メンタルヘルス法務主任者
【代表者経歴】
東京都社会保険労務士会 総務・財務委員会委員
東京都社会保険労務士会港支部 総務委員長
東京都社会保険労務士会 無料電話相談(社労士110番)担当
一般社団法人産業保健法務研修センター 正会員
港区役所 国民年金係相談窓口担当
足立年金事務所 厚生年金適用調査課
柏労働基準監督署 就業規則・36協定点検指導員
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