ふくらはぎストレッチで冷え・むくみ解消!筋肉を伸ばすホールドリラックス&トリガーポイント療法のやり方
ふくらはぎには二つの役割があります。
一つは、足を動かすためのパワーとしての役割です。
立っている時や、歩いたりする時に必要になる筋肉の一つです。
ふくらはぎの力が弱いと、足が疲れやすくなるだけではなく、腰痛や膝痛などを引き起こす原因にもなります。
さてもう一つの役割は、今回お話する、血液やリンパの流れをスムーズにするための、ポンプとしての機能です。
心臓には新鮮な酸素を含んだ血液を、体の隅々まで送り出す役割があります。
しかし、心臓のポンプ作用は、血液を体の隅々まで行き渡らせることは出来ても、再び心臓まで戻すほどの力はありません。
心臓と同じポンプ機能としての役割を担い、血液だけでなくリンパ液も押し戻す役割を持っているのが、ふくらはぎの筋肉です。
このポンプ機能がしっかりと働くためには、ふくらはぎの柔軟性(柔らかさ)が大切な要素になります。
もしふくらはぎが硬いと、ポンプ機能が十分働かなくなるだけでなく、筋肉の間を通っている血管やリンパ管を圧迫するようになります。
そうなると「血管では血流が低下」し、「リンパ管ではリンパの流れが悪くなる」という現象が起こります。
それが「冷え」や「むくみ」を引き起こします。
ところで「ふくらはぎをマッサージをした時は、むくみも取れてスッキリするけれど、しばらくするうちにまたむくんできたり、冷えを感じたりする」という声を良く耳にします。
この理由は、マッサージによりふくらはぎの硬さが一時的に改善しても、日常生活を送っている間にまた少しずつ硬くなってしまうためです。
つまり、マッサージをして柔らかくするだけではなく、同時に日常生活でふくらはぎが硬くならないように、気を付けておく必要があります。
また、ふくらはぎ全体のマッサージやストレッチをする前に、凝りなどの硬くなっているところを見付け、先にその部分をしっかりとほぐしておく必要があります。
ハイヒールなどの踵の高い靴は、歩いている間だけでなく、立っている時も常に足先は下向きになっています。
この状態では、ふくらはぎの筋肉は常に短縮した(縮んだ)状態になります。
この状態が続けば、ふくらはぎの筋肉はどんどん硬くなっていきます。
ふくらはぎの筋肉である「腓腹筋」と「ヒラメ筋」は、姿勢保持筋と呼ばれ、立っている時に良く働く筋肉です。
立ち仕事をしていたり、通勤で立っている時間が長くなることなどで、ふくらはぎは疲労をします。
これは、肩こりの機序と似ており、次のような経過を辿ります。
- ふくらはぎが常に活動している状態になる
- やがてふくらはぎが疲労してくる
- 肩こりと同じようなコリがふくらはぎに出来てくる
- やがてふくらはぎ全体の硬さに広がる
つま先や踵に体重が偏った立ち方をしていると、ふくらはぎをはじめ、脚の色々な筋肉に疲労が生じてきます。
例えば猫背の姿勢では、背筋を真っ直ぐに伸ばしている姿勢に比べ、ふくらはぎにかかる負担は大きくなってしまいます。
精神的なストレスは、ふくらはぎに限らず、体の各筋肉が硬くなることに関係します。
その中で特に問題となるのは、長期間ストレスがかかっている場合です。
自分でも気付かないうちに、体の各筋肉に力が入ってしまい、それが長期化することで、筋肉の強張りを生じさせてしまいます。
- 踵の高い靴は常用しないようにしましょう
ハイヒールは、ふくらはぎの筋肉が短縮するだけでなく、安定して立つためのバランスも必要になるので、ふくらはぎが過剰に活動します。
時々使用するなら問題はありませんが、常用は避けた方が良いでしょう。
- 立ち仕事など立つ時間が長い方は、一日に何度かふくらはぎのストレッチをするようにしましょう。
立っている時は、ふくらはぎの筋肉は常に活動しています。
一日のうちで立つ時間が長い方は、意識的にふくらはぎのストレッチをして、筋肉の張りが強くならないようにしましょう。
ストレッチは一度にまとめてするよりも、一日に数回行ったほうが効果的です。
- 普段の立位姿勢を見直してみましょう。
綺麗な姿勢で立つことは、体の各筋肉の負担を最小限にします。
足の裏全体で体重を支えるイメージで、立つように心掛けましょう。
腰が反り過ぎていたり、頭を前に突き出していないかなど、自分の立ち姿勢を鏡で見て確認する習慣を持ちましょう。
- 床の上に足を伸ばして座ります(仰向けに寝た状態でも良いです)。
- 次に足首に力を入れて反らします(つま先を自分の顔の方に向けます)。
- そのまま10秒ほど保持した後、力を抜いて足首を戻します。
- これを5回繰り返します。
筋肉には、最大の力で収縮させたあと、一気に脱力すると、伸びるという特徴があります(ホールドリラックスと言います)。
この理論を利用した、ふくらはぎのリラクゼーション方法です。
- 立って行う方法
- 立った状態で、つま先立ちをします。
- その状態で、10秒程度保持します。
- この時に、しっかりとふくらはぎの筋肉に力を入れるように意識します。
- その後一気に脱力し、踵を床に着けます。
- これを5回繰り返します。
壁に軽く手をついて行うなど、転倒に注意して行って下さいね。
- 座って行う方法
- 椅子に座り、(立って行う方法と同じように)足の裏を床に付けた状態からつま先立ちのように踵を浮かせます。
この時にしっかりとふくらはぎの筋肉に力を入れるように意識します。 - その状態で10秒ほど保持します。
- その後一気に脱力し、踵を床につけます。
- これを5回繰り返します。
デスクワークの方にお勧め出来る方法です。
ふくらはぎが硬い場合、ふくらはぎの色々な場所を指先で押さえてみましょう。
そうすると、いくつかの場所で凝りを見つけることが出来るはずです。
その凝りは、その部分の痛みを引き起こすだけでなく、他の場所にも痛みを感じさせます(これを関連痛と呼びます)。
関連痛を放置していると、さらにそこから別の場所に関連痛を引き起こしていくという悪循環になってしまいます。
そうならないためには、凝りに対して早めに対処する必要があります。
- 足を伸ばして座るか仰向けに寝ます。
- テニスボールをふくらはぎの下に置き、凝りや痛みを感じる場所(一般的にはふくらはぎの上半分に多く見られます)の下にテニスボールを合わせます。
- ふくらはぎでボールを押し付けるように力を加えます(座っている場合は手で足を押さえ付けても良いです)。
- 押し付けたまま20秒程度保持し、その後圧迫している力を緩めます。
- これを5回繰り返します。
一日に何度か行えば、効果が高いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
ふくらはぎというポンプがしっかり働けば、血流やリンパの流れが良くなり、冷えやむくみが解消していきます。
そのためには、普段からふくらはぎの柔軟性を維持しておくことが大切なポイントになります。
- 漠然とふくらはぎのマッサージをするのではなく、痛みを伴う凝りのある部分を柔らかくしておくこと
- ストレッチなどを行い、ふくらはぎ全体の柔らかさを維持しておくこと
- 柔らかくなったふくらはぎが、再び硬くなってしまわないよう、適切な履物を選んだり、立ち姿勢を見直すなど日常の中で留意すること
ふくらはぎの柔軟性を保つためには、これらのことが大切になります。
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■株式会社ILLUMINATE代表取締役
子どもの発達と子育てを応援する会社。
https://illuminate-kobe.co.jp
■こども発達LABO.共同代表
YouTubeチャンネル「こども発達LABO.」では、言葉と体の発達に関すること、発達障害のある子どもへの手立てなどについて発信しています。
https://www.youtube.com/channel/UCAaMVv5UrovrhAtaWVerWrQ
■子どもと姿勢研究所代表。
子供の姿勢や体の発達の仕組みや取組方法について、医学的視点をもとに、どなたにも分かりやすくをモットーに情報発信しています。保育士さん向け情報も。姿勢や体作りに関する講師依頼もお受けしています。
http://kodomotoshisei.kokage.cc
■日本で一番、保育士さんを応援する理学療法士
会社の代表をしながら、全国各地の保育園・幼稚園で、、保育士さん向け講義を実践しています。
また保育園コンサルタントや巡回相談事業への参画など、裏方として保育士さんをバックアップする仕事もしています。
■メディア
NHK「あさイチ」出演/テレビ大阪「やさしいニュース」出演/テレビ朝日「グッド!モーニング」出演/神戸新聞「まいどなニュース」記者/教育機関向け雑誌「私塾界」/関西テレビ「ANCHOR」/テレビ朝日「中居正広のミになる図書館」/読売新聞/スポーツをする子どもを応援するフリーマガジン「Spody α」/Latte column/子供とお出かけ情報「いこーよ」/エキサイトニュース/mybest/その他、テレビ番組企画や雑誌などのライターさんからの出演依頼・取材等多数。
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