アロマオイルとの違いは?100%天然由来のエッセンシャルオイル(=精油)を見分ける3つの方法 (1/2)

執筆者: 市井 真太郎 職業:アロマセラピスト AEAJ認定アロマテラピー検定資格講師・アロマテラピーアドバイザー講師
はじめに

こんにちは。オーガニックアロマギフトのアロマセラピスト蒼太です。

 

最近は、雑貨ショップや家庭用洗剤でも”アロマオイル配合”という文字を良く見かけます。

ただし、アロマの専門店に置いてあるエッセンシャルオイル(=精油)と、このアロマオイルは似ているようで実は違うケースが多いのです。

 

アロマオイルとエッセンシャルオイルは違う

そもそも、アロマテラピーという言葉は、造語ということを知っていましたか。
1920年代にフランスの調香師ガットフォッセが「Aroma」(芳香)と「Theraphy」(療法)を組み合わせた造語なのです。

当初は、単純に香り成分を使った治療行為を示したのが、時代が進むにつれて心理的な効果や、芳香浴など広い意味を示すようになりました。

このことは、過去のコラム「女性ホルモンの分泌に効果的なアロマセラピー(精油)の芳香浴効能とブレンドレシピ」にも紹介しております。

社会に認知されると同時に、フランスなどヨーロッパでは、医学面でも公的保障が利用出来たり、進歩してきました。

 

日本では「娯楽・ファッション」としての要素が強い

一方で、日本ではアロマテラピーという言葉が入ってきたのが1970年後半です。
漢方など東洋医学が浸透しきっていたため、アロマテラピーは「娯楽・ファッション」の要素が強くなり、法整備や社会的な正しい知識や認識が後回しになってきたのです。

近年問題となっているのは、エッセンシャルオイルと誤解して、エッセンシャルオイルではないアロマオイルを購入し使用したことで、皮膚の炎症などのトラブルになったことがあります。


近い将来、日本でもアロマテラピーやアロマオイルの定義を、しっかりと認識する必要性が出てくると思います。

このコラムでは特徴・作り方・値段の観点で比較しながら、安全に使用する方法をご紹介します。

 

アロマを見分ける方法1 特徴

国内最大規模のアロマテラピーを扱う団体(公社)日本アロマ環境協会では、エッセンシャルオイル(精油)を下記のように定義しています。

 

  • エッセンシャルオイル

精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材です。

有効成分を高濃度に含有した、揮発性の芳香物質です。
精油は、各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものです。  

 

一方で、アロマオイルとは一般的に下記のように区分けされています。 

 

  • アロマオイル

アロマオイルは、香りを発するオイル・有機化合物などを広く示しています。
アロマオイルの定義の中には、エッセンシャルオイルも含まれていますが、それ以外の安全ではない合成香料のポプリオイルなども含まれています。

 

現状では「エッセンシャルオイルではないオイル」=「アロマオイル」と考えると、比較的分かりやすいです。

 

広い意味を示す「アロマ」が紛らわしい原因

『アロマオイル』や『アロマ』の用語には、エッセンシャルオイルもそれ以外の香りが出る物も全てがごちゃ混ぜに含まれているので、とてもややこしいですし、紛らわしいことになっているのです。

100%天然由来のアロマオイルのみが、エッセンシャルオイル(=精油)という言葉で表現されるのです。
なので「精油」というキーワードが、製品の箱や説明書についているかを目安にすると、間違えないと思います。

 

アロマを見分ける方法2 作り方

他にも、製造方法で見分ける方法もあります。

エッセンシャルオイル(=精油)を作るには、主に3つの方法が使われます。

  • 水蒸気蒸留法: 大半の精油が作られる。高温のスチームで沸騰させ、匂い成分を抽出。
  • 圧搾法:    主に柑橘系から抽出。ローラーで潰して搾り出す方法。
  • 有機溶剤抽出法:ローズ、ジャスミンなど熱に弱いお花から抽出する方法。とても高価。


製品の説明書などに基本的には表記されているはずです。
もしも表記がない場合は、エッセンシャルオイル(=精油)ではない可能性が高いと判断します。

エッセンシャルオイルを作るには、例えばラベンダーの場合、10ml作るのに、ラベンダーの花と葉を30kg程度使用します。

バラの場合は50kgにもなります。

 

 

アロマを見分ける方法3 値段

上記の通り、大量の自然の植物を使うので、かなり高価です。
市場では、ラベンダー10mlが1,500~5,000円程度の相場です。
バラは15,000円~70,000円など、非常に高価。

一方でアルコールに人工香料などを混ぜたアロマオイルは、大量生産が可能で比較的安価です。
例えば、市販の香水などにも使用されています。

ポプリの香りを持続させるための、ポプリオイルも同様です。

100円で販売されているアロマオイルは、ほぼエッセンシャルオイルではないと考えても間違いでは
ないと思います。

値段で見分けるのも一つの方法かもしれません。

 

エッセンシャルオイル(=精油)以外のアロマオイルの使い方

では、エッセンシャルオイルではないアロマオイルは使ってはダメなのかというと、そうではありません。

「用途」に応じて使い分けをすれば、アロマオイルでも十分使えます。

アロマオイルは人工香料や合成の界面活性剤を使用しているため、比較的安価です。
ペットのトイレの消臭や、玄関の消臭・芳香剤、そしてポプリの香りを持続させる目的などの場合は、必ずしも高価なエッセンシャルオイルを使用する必要はないでしょう。

ただし、本格的にアロマテラピートリートメントなど、肌に塗布するケースでは、肌荒れやアレルギーの原因にもなったりします。
必ず100%天然のエッセンシャルオイル(=精油)を使用して下さい。

 

 
 コラムニスト情報
市井 真太郎
性別:男性  |   現在地:東京都  |   職業:アロマセラピスト AEAJ認定アロマテラピー検定資格講師・アロマテラピーアドバイザー講師

《経歴》
  ▽男性ならでは目線で、アロマと美容を語る。
   メディア出演・執筆・webコラムなど多数

《公式ページ》
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