日本のお米は400種類以上!味・種類・成分と、鮮度を保つ保存方法

執筆者: 水谷俊江 職業:管理栄養士 アーユルヴェーダセラピスト
はじめに

こんにちは、管理栄養士・ダイエットコーディネーターの水谷俊江です。

 

私は2010年~2014年6月までの4年間をブラジルサンパウロで生活していました。
日本から一番遠い国ブラジル、そこで暮らすブラジル人が普段食べている食事というと、茹でたお米を炒めて、フェジョンと呼ばれる塩味で煮たお豆をかけて食べることが挙げられます。

 

 

ブラジルの主食は米である

ブラジルの主食は米。
南米で唯一主食を米としている国なのです。

 

レストランでも、ポルキロと呼ばれるお手軽ランチ用の量り売り食堂でも、白米、玄米、ブロッコリーを混ぜたご飯など、バリエーションも豊かです。

ただし、長粒米のパラパラごはんです。

お豆のシチューをかけていただくには美味しいですが、ご飯自体の美味しさはもうひとつです。

 

南米発の「弥勒米」というお米が売られている

サンパウロは日本から一番遠い都市ではありますが、世界で一番日系人が多い都市でもあります。

ご飯その物の美味しさを追及するDNAは受け継がれていくもので、ブラジル国境のウルグアイの農場で日系人が改良に改良を重ね作っている南米発の「弥勒米」がこちらです。

 

コシヒカリの系譜を辿る「弥勒米」。
日系食料品店で手に入るこのお米のおかげで、サンパウロでは一汁三菜の日本型おうちごはんを続けることが出来ました。

 

400種類ほどある日本の米はやはり美味しい

4年間のサンパウロ生活を終え、7月に帰国してまず感じたこと。
「ご飯が美味しい!」

日本のスーパーでは様々な「ブランド米」「ブレンド米」が並んでいます。
感激するほど美味しいご飯をいただくことが出来るニッポンです。

毎日いただくご飯です。
400種類ほどあるといわれる日本のお米のブランドで、色々な角度からお米を検証、食べ比べて、自分の一番好きというブランドを見付け出しましょう。

 

用途によって成分が違うお米の種類

まずはお米の種類について。
ご飯はご存じの通り、すぐにエネルギーとなる炭水化物です。

 

お米の成分の7割を占めるデンプンには、硬さに影響を与えるアミロース。

粘りに関係するアミロペクチンの2種が含まれています。
このデンプンの配合で、お米の種類が分類されます。

  • 「おもち」や「おこわ」には、アミロース0%(アミロペクチン100%)の餅米
  • 「ごはん」や「お寿司」などには、アミロース15~23%のうるち米
  • 「ピラフ」や「チャーハン」などパラパラご飯には、アミロース27%以上のタイ米などの高アミロース米
  • 「おはぎ」「お弁当」「炊き込みごはん」には、うるち米と餅米の中間のような、冷めてもモチモチした食感を残してくれるアミロース15%以下の低アミロース米
    (低アミロース米の品種には「ミルキークィーン」「おぼろづき」「スノーパール」「夏雲」「ねばり勝ち」などがあります)

 

ご飯に使われている「うるち米」の食味ランキング

一番品種が多く、日常のご飯として召し上がっているお米は「うるち米」です。

財団法人 日本穀物検定協会では、毎年「米の食味ランキング」を発表しています。

 

財団法人 日本穀物検定協会
http://www.kokken.or.jp/ranking_area.html

 

判定の方法は、複数の産地で作られているコシヒカリのブレンド米を基準米として、外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6部門で品種を判定して格付けをしています。
評価は「特A=基準米より特に良好」「A=良好」「A’=おおむね同等」「B=やや劣る」「B’=劣る」の5段階です。

 

2大横綱「コシヒカリ」と「ササニシキ」

現在日本で日本で生産される米の多くは「コシヒカリ」を直接親に持つか、「コシヒカリ」の血の濃い「ひとめぼれ」「あきたこまち」「キヌヒカリ」等を、交配親に用いて改良されたコシヒカリ系品種です。

 

うるち米の中でも粘り強い味が特長の「コシヒカリ」

 

冷夏によって減少してしまったササニシキ

一方、かつてはコシヒカリと並び、両横綱といわれていた「ササニシキ」。
昭和60年から平成5年まで「コシヒカリ」に次ぐ全国作付面積第2位を記録した大品種でしたが、平成5年の冷夏によって、大きな痛手を負ってしまいました。
ササニシキは、耐冷性やいもち病抵抗性が弱いこともあって、その後作付けは大幅に減少してしまったのです。

ササニシキの食感は表面が柔らかく、さらっとしていてお寿司に向いているといわれています。

コシヒカリ系とは少し違った食味への人気から、今でも一定の需要は維持されています。

「東北194号」はササニシキを品種改良し、さらっとした味はササニシキに近いものです。
他に、大粒であっさりした旭系の品種に「朝日」「ハツシモ」などがあります。

おわりに

さてさて、好きなお米は見つかりましたか?
実は美味しいお米の賞味期限は、精米日から2週間です。

お米は保存中にどんどん酸化が進んでしまいます。
湿度、温度の高いキッチンでの常温保存はもってのほかです。

保存にもこだわりましょう。
いつも炊く量を小分けにして、ポリ袋に入れて下さい。

そして冷蔵庫で保存しましょう。虫やカビの予防にもなります。

 


新米が登場するこの季節、「糖質抜きダイエット」から「朝からご飯で和食ダイエット」に切り替えてみてはいかがでしょうか。

 
 コラムニスト情報
水谷俊江
性別:女性  |   職業:管理栄養士 アーユルヴェーダセラピスト

管理栄養士としてクリニックでのダイエットや腸活アドバイスなど2000人以上の相談業務に携わってまいりました。
アーユルヴェーダセラピスト、風水鑑定士の資格もあり、このコラムでは西洋医学の栄養学だけでなくインド、中国の叡智を取り入れた新しい健康アドバイスをご紹介します。