秘境観光はいかが?最北端No1「稚内駅」と、日本一電車が来ない「上白滝駅」の探検レポート (2/2)

執筆者: 秘境通のなべ
列車で辿り着くのが日本一難しい?謎の上白滝駅

北海道の旭川市と網走市を結ぶ、全長約260kmの石北本線にこの駅はあります。
ツウならご存じ白滝駅シリーズの1つに数えられる駅で、鉄道ファンならずとも見逃せない、かつ唸らせる存在らしいです。

今回は大人の事情で車での探訪となり、国道333号線を通り遠軽町白滝地区へと向かいます。

 

 

昭和7年に開業され、すでに80年以上もの間、人々の足を支え、街の栄枯盛衰を見守ってきました。
駅舎は当時のまま使用されており、ツギハギが目立ちながら、ノスタルジーな雰囲気とレトロ感を醸し出し、独特のオーラを放っています。

 

 

駅前には民家が4件ほど、向かいには牧場と田畑に囲まれた田舎的風景が広がり、秘境駅ではないようです。

 

 

1日1往復しか電車が停まらない駅

なぜ列車で辿り着くのが難しいのか?

待合室の時刻表を見てみると、驚きました。

 

 

初見の人は面食らうはずです。

もちろんJRが記入し忘れた訳ではありません。

 

1日1往復しか止まりません。

この少なさは、日本広しといえども、ここだけではないでしょうか。
調べると、平成4年のダイヤ改正でこの状況になったそうで、ネットや携帯が普及するまでは一部の鉄道ファンしか知らない存在でした。


無人駅に付き物の駅ノートも冊を数え、探訪者の多さと人気ぶりが伺えます

 

 

目を通すと、ここで降りて約3.5km先の白滝駅まで歩いて乗り継いだり、白滝駅から歩いて往復したり、タクシーを利用したりと苦労している様子が分かります。

 

ひとつ手前の上川駅までは、以前あった4駅全て廃止になったため、約34kmもあり、しかも峠越えなので徒歩は不可能。

一駅区間で30km以上もあるのは、国内でもベスト3に入る遠さだそうです。

 

 

なんとも広い北海道らしい不便さ、時刻表を知らずに興味本位で降りると後悔するでしょう。

夏ならまだしも冬なら絶望を意味します。

そもそもナゼこんな時刻表になったのか

これこそいわゆる大人の事情といえるでしょう。
駅がある白滝村はかつて、5000人近くの人口があり林業で栄えましたが、過疎化で激減。

平成17年に遠軽町と合併した時は1200人弱でした。


また、北海道らしいのですが、人口の割に街が広過ぎました。

民家が密集せずあちこちに分散して集落を形成したため、年月とともに無人化が広がり、昭和62年のJR発足後に、利用客が0人に近い不採算駅は次々廃止または減便化が進んだようです。


上白滝駅は、周囲に民家があり中心部にも近いため廃止は免れましたが、利用客は少なく平成4年には通学生もいなくなり、気付くと今のダイヤになってしまったそうです。
ただ、今でも定期的な利用客が1人いるそうで、その方のお陰で駅が存続しているのかもしれません。

おわりに

いかがでしたか。

広い北海道ならではの悩みが鉄道網にもあるんですね。

ただ、狭い都市圏でもそこならではの悩みもあるようで、何事もほどほどが良いようです。

 

廃駅を辿る旅も面白いかもしれません。
稚内駅と周辺は、最北の観光名所としても知られているので、あるもの全てが最北の○○と頭文字に付きます。
お越しの際は、様々な最北を探してみるのも面白いでしょう。 

 
 コラムニスト情報
秘境通のなべ
性別:男性  |  

北海道を中心に、地底の鍾乳洞から山奥に眠る滝や秘湯、遺構(炭鉱、鉱山跡)など誰もが行けない秘境を探検する、あくなきチャレンジャー。
気力、体力、技術に大事なのは時の運、単独行は危険です決してマネはしないでください。

 

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