企業の人事総務で行う、社会保険関連の加入手続き一覧 -1年間まとめ-

執筆者: HRプラス社会保険労務士法人
はじめに

みなさんこんにちは。

さとう社会保険労務士事務所の黒田絵理です。

初めて人事総務部に配属された方・前任者が急に退職して、急きょ総務のお仕事も担当することになった方は、社会保険・給与計算で必要になる手続きについて、ちんぷんかんぷんの状態かと思います。


社会保険の手続きは、きちんと行っていないと後から保険料を徴収されたり、本来貰えるはずだった給付金が貰えなくなったりと、会社にも従業員にも不利益になることが多いので、1年間の流れをきちんと勉強しておきましょう。

 

 

1年間の流れ
4月
  • 新入社員の社会保険・雇用保険の資格取得手続き
  • 3月末日で退職した社員の社会保険・雇用保険の喪失手続き
  • 健康保険料率の変更

多くの健康保険組合では、3月分保険料(4月支給給与より控除)から、保険料率が変更になります。
自分の会社の健康保険組合からお知らせがきたら、忘れずに給与計算ソフトの設定変更をしましょう。

6月
  • 労働保険料の年度更新

前年度に支払った給与総額に、労災・雇用保険料率をかけて、1年間の保険料の確定精算をする手続き。
また、昨年度の確定保険料をもとに、今年度の概算保険料の計算も行います。
7月10日までに確定申告書の提出と、保険料の支払いを行います。

7月
  • 社会保険の定時決定手続き

4月~6月に支払った給与額の平均で、この先1年間の社会保険料の金額を決める手続き。
7月10日までに「算定基礎届」を提出します。

  • 賞与支払届の提出

賞与を支払った場合に、健康保険組合・年金事務所へ支払額の報告をする手続き。

  • 高年齢者雇用状況報告書の提出
  • 障害者雇用状況報告書の提出

 

10月
  • 厚生年金保険料率の変更

平成29年まで毎年厚生年金保険料率が上昇することが決まっています。
9月分厚生年金保険料(10月支給の給与より控除)から、変更後の金額が反映されます。
給与計算ソフトの設定変更を忘れずにしましょう。

12月
  • 年末調整

社員一人一人の1年間の給与額から、年間の所得税額を算出し、すでに支払い済みの所得税の過不足精算をする手続き。

  • 賞与支払届の提出

 

1月
  • 給与支払報告書の提出

⇒昨年給与を支払った社員の住む市区町村へ、支払った額の報告をする手続き。
これをもとに住民税が計算されます。

その他の手続き
時間外・休日労働に関する協定届(36協定)

社員に時間外労働・休日労働をさせるためには必ず必要な届出です。
通常、1年に1度更新します。
貴社の36協定を見て、更新月が来たら忘れずに届出しましょう。

雇用促進税制

前年に比べて、1年間の雇用保険保険被保険者の人数が増加すると、税制優遇を受けられるという制度です。
決算月から2か月以内に、「雇用促進計画」を提出し、翌年の決算月から2か月以内に、雇用保険被保険者の増加数を報告することで、税制優遇が受けられます。

契約社員の契約更新

更新月を必ず把握しておきましょう。

産休取得者、育児休業取得者の手続き

出産予定日、実出産日によって、手続きの期限が決まります。
手続きが遅れると、社会保険料の免除が受けられなくなったり、給付金が貰えなくなったりと、本人にも会社にも不利益が生じます。
妊娠中の社員がいたら、注意して手続きをしましょう。

 

おわりに

人事総務部のお仕事は1年に1回の仕事や、期限が過ぎると大問題になる手続きが多く、注意しながら毎月を過ごす必要があります。
今回のコラムが、お仕事の参考になれば幸いです。

 
 コラムニスト情報
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