関西と関東、そばつゆの色が違うのはなぜ?出汁から学ぶ日本食文化 (2/2)

執筆者: ミミ 職業:フードアナリスト、jr野菜ソムリエ
関東風つゆに秘められていた 醤油の凄さ

つゆに、2:1の比率でイノシン酸を混ぜるためには、鰹節も沢山使わなくてはなりません。


イノシン酸は、なめてもグルタミン酸のような味はしないことからも推察されるように、その秘めた潜在能力を引き出す食材と組み合わせることが大事。

加えてイノシン酸は、味覚に対して貴重な働きをします。

その働きとは?

「塩気を感じさせなくする塩ナレ効果」=塩味を抑える「塩ナレ」。
まさに、塩味のエッジが利いた、尖った味わいになってしまったときの救世主です。

醤油ベースに、鰹節でとった濃いだし(イノシン酸がよくとれたダシ)を加えると、丸みが出てきます。

うま味成分が多い醤油とマリアージュすることで塩味の角がとれるので、鰹節と合わせることで 味がさらに濃厚になり、うま味が増します。

まとめ

年越しそばから派生して、ルーツを探ったそばつゆ。

その根底には、日本伝統食のひとつ出汁(ダシ)ダシについての地域性と歴史的文化の違いがありました。

北海道では、関東風のそばつゆを使う店舗や家庭が多いように感じます。
また、うどん県とも称される四国の香川県では、あごを使った出汁が主流の模様です。

この機会に、日本食文化を“知って・食べる・楽しむ“へトライしてみて下さいね。

 
 コラムニスト情報
ミミ
性別:女性  |   職業:フードアナリスト、jr野菜ソムリエ

普段は食品会社に勤務しながら、レストラン接客スタッフとしても活動。
そのほかにフリーライターとして、北海道野菜の魅力を伝えるジュニア野菜ソムリエとしての取材・告知活動、食の情報を解説する専門家「フードアナリスト(協会本部広報委員)」としても、様々な媒体を通じて食トレンド情報を発信中