借金より「生活保護」が正解!お金がなくて生活が苦しいときの対処法を、プロが解説

お金がない、生活が苦しい…借金に手を出す前に「生活保護」を!そして任意整理や個人再生、最終手段の自己破産を試してみてください。

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
はじめに

節約アドバイザーのヨースケ城山です。

 

経済問題で自殺する人は、増加傾向にあります。

まじめに暮らしていた一家が、ご主人の突然の失業などで、再就職ができない、病気で働くことができないということで、追い込まれていってしまうことがあるものです。

 

そんな時、国のセーフティーネットにはどのようなものがあるのか、それをご紹介したいと思います。

 



まずは「生活保護」を

代表的なセーフティーネットと言えば、生活保護です。

困窮している生活を立て直すきっかけを掴むために、まずは生活保護を申請しましょう。

行っても追い返されてしまうのでは?という人は、生活保護に詳しい知人に同行して貰いましょう。

 

生活保護に詳しい人に同行して貰う

例えば、『特定非営利活動法人 自立生活サポートセンター・もやい』というところでは、同行もしてくれるそうです。


『首都圏生活保護支援法律家ネットワーク』でも同行が可能です。

普通の人が生活保護を受給するのは結構難しいので、いきなり役所にいくのではなく、専門家に相談するのが一番の近道になります。

また、相談をするにも『法テラス(日本司法支援センター)』などで、電話でも簡単に相談ができる環境になっていますので、こちらを利用するのも良いかも知れません。 

 

生活保護は、法律で決められた当然の権利です。

追いつめられてしまったときには、是非活用したいものです。

 

最後の手「自己破産」

自己破産とは、裁判所に「破産申立書」を提出して「免責許可」というものをもらい、全ての借金をゼロにするという手続きです。

 

破産ができるのは、「支払い不能」となった場合です。

支払い不能というのは、債務者の負債の額、収入、資産等の状況から総合的に判断されます。

住宅を持っている場合は、手放す必要があります。

 

自己破産のデメリット
  • 借入が今後約7年間できなくなる(ブラックリストに載るため)
  • 破産者の住所氏名が、「官報」という国が発行する機関紙に掲載される
  • 破産開始決定を受けてから、免責決定を受けるまでの間は保険の外交員、警備会社の警備員など一部就けない職業がある

 

そんなにデメリットが多いわけでもなく、とても良い制度なのですが、隠れたデメリットがあります。

それは、自己破産をして一回借金がチャラになっても、原因の追及などをしないため、また同じことを繰り返す可能性が高く、生活再建につながらないケースが発生するということです。

 

自己破産は、最後の手と覚えておいた方が良いと思われます。

「個人再生」で借金を減額

裁判所を通じ、債務を減額してもらう手続きです。

裁判所に提出した再生計画が認可されると、原則として債務が5分の1に減額されます。

減額された債務を、3~5年で支払います。

 

自己破産とは違い、一定の条件を満たせば、住宅を手放さずに手続きをすることができます。

司法書士に頼んで手続きをしてもらいます。

 

個人再生によるデメリット

  • 借入が今後約5~10年間できなくなる(いわゆる「ブラックリスト」)
  • 自己破産とは違い、返済を継続できる収入がないと手続きが不可能
  • 住所氏名が、「官報」という国が発行する機関紙に掲載される

 

条件が合えば、これが一番おすすめになります。

債権も少なくすることができること、何よりも継続した収入がないとこの制度は使用できないため、一番立ち直りやすい制度であることがあげられます。

 

月々の返済を減額‎「任意整理」

司法書士に頼む「任意整理」という手もあります。

これは、主に長い間キャッシングを繰り返してきた方に有効です。

将来、利息のカットや現在よりも低い金額の支払い月額の実現を目指して、司法書士が債権者と交渉をします。

 

裁判所は関与しませんので、自己破産の場合のように裁判所に提出する書類を用意していただく必要はありません。

 

任意整理によるデメリット
  • 借入が今後約5年間できなくなる(いわゆる「ブラックリスト」)
  • 自己破産や個人再生と比較すると、債務を減額させる効果が高くない
  • 最近は、任意整理手続きに応じない業者が増えている

 

裁判所が間に入らないため、比較的スムーズに事は運びますが、司法書士の腕次第になってしまいます。

また、減額効果がないので、あまりお勧めできません。

 

おわりに

この中でも一番簡単なのは、生活保護です。

条件さえ満たしていれば、誰でも申請できます。


また大切なのは、借金をして苦しむ前に生活保護を申請するということです。

ほとんどの皆さんは、順番が逆なのです。

借金苦で生活保護を受けに来る方が多いです。

 

生活保護の受給要件に、「借金があること」なんていう項目はありません。

また、収入があってもその収入が少なければ、その部分だけ保護を受けることも可能です。

苦しむ前に役所に行って声を上げてください。

 
 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。

ブログ『節約アドバイザー ヨースケ城山ブログ』http://ameblo.jp/yousukeshiroyama
では、節約だけではなく転職活動、著書、社労士、FPのことを配信中。

【著書】
2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
2015年 給料そのままで「月5万円」節約作戦がkindle化されました。
2015年 「kindle無料キャンペーン」でベストセラーランキング1位を獲得して販売につなげる方法 発売。
2016年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂版発売
2016年 「子供の教育費は削りなさい!」奨学金利用者50%以上時代の新教育費計画発売
2017年 給料そのままで「月5万円」節約作戦 増補改訂2版発売
2017年 老後資金は49.9歳までに貯め始めなさい!: 私の老後に必要な資金は2164万円です あなたの金額は? 発売
2017年 人生の3大支出「住宅」「教育」「老後」を節約しなさい!お金の裏技3冊セット: この3つを節約すれば他の節約は不要!発売