星空・天体写真を綺麗にレタッチ!フリーソフト「GIMP」の加工テクニック (1/2)

執筆者: 宇都 正明 職業:天体観測アドバイザー・星空案内人
はじめに

天体写真は一般的な写真と異なり、フォトレタッチが必須になります。

 

フォトレタッチとは、画像の形状やサイズ変更・切り抜き、色味・明るさ調整、不要物の消去、画像の合成など、様々な加工・修正を行う事を言います

 

今回は、天体写真のレタッチ方法について説明します。

 

レタッチソフトを使おう

レタッチを行うには、カメラ付属のRAW現像ソフトの他、PhotoShopの様な有料ソフト、また天体写真専用レタッチソフトとしては、アストロアーツ社のステライメージなどもあります。

 

フリーソフト「GIMP」を使用

今回はカメラ付属のRAW現像ソフトと、フリーウエアのGIMPを使ってのレタッチ法を説明していきます。

フリーウエアながら高性能で、お勧めのソフトウエアです。


GIMP
http://www.geocities.jp/gimproject2/download/gimp-download.html

 

ヒストグラムとは

フリーウエアのレタッチソフトも多々ありますが、GIMPが天体写真にお勧めと感じたのは、レベル補正でヒストグラムを見ながら行える事です。


ヒストグラムとは、写真の場合横軸に輝度値、縦軸に画素数の分布をとったグラフの事です。
輝度が低い(暗い)画素は、左右側に行く程明るい画素が分布されます。

 

一般的な写真のヒストグラム

 

一般的な写真では、ヒストグラムはご覧の様にほぼ中間の明るさをピークに、明るい部分から暗い部分まで分布している様子が判ります。

 

天体写真のヒストグラム

一方、こちらは天体写真のヒストグラムです。

 

 

天体写真の場合、多くは露出不足である事が多く、その為画素分布の山は左側にあります。

 

超高感度設定等を駆使して撮影し、ヒストグラムの分布を右に持っていっても、街明かりなどで背景の空が明るくなってしまい、実際に天体写真に有意なデータは極わずかです。

 

RAWを使おう

天体写真のヒストグラムで説明を入れた様に、ヒストグラムの山のデータがとても大事です。

 

JPEG画像からここまで強調してしまうと、階調不足からトーンジャンプやブロックノイズ(上記写真の背景でも橙色のノイズが背景に浮いてきています)が目立つ様になってしまいます。

 

これが天体写真はRAWで撮ると良い、と言われる理由の一つです。
星空の撮影は、ぜひRAWで行いましょう。

RAW現像時のポイント

さて、RAWで撮影したデータは現像しなければなりません。

RAW現像ソフトは各社メーカにより機能も異なりますが、いくつかポイントだけでも紹介したいと思います。


一つは、バックグラウンドの指定です。

 

RAW現像オリンパス

 

 

RAW現像キャノン

 

 

大抵の現像ソフトには、背景を指定してニュートラルグレーとする機能があります。

天体写真の場合、背景の宇宙はニュートラルグレーが望ましいので、星が写っていない領域を指定してカラーバランスを整えます。

 

シャープネスを使おう

もう一つのポイントは、シャープネスの指定です。
シャープネスを適用すると星の場合、周囲が暗く落ち込む現象が見られます。

 

 

現像ソフトでOFFとするか、あるいはマイナス補正とするのが良いでしょう。

その他、周辺減光補正や色収差補正など、現像ソフトで補正できる場合はONにした方が、良い結果を得ることが出来ると思います。

画像を見ながら、適宜適用してみると良いでしょう。

 

ノイズ除去なども行える場合は、ここで適用しておいた方が良いかもしれませんが、各社ソフトによりけりな面もありますので、あくまでも画像を見ながら調整してみて下さい。

 

RAW現像したファイルは、TIFF 16bitで保存します。

 
 コラムニスト情報
宇都 正明
性別:男性  |   職業:天体観測アドバイザー・星空案内人

銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。

 

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