履歴書と職務経歴書、使い回してない?採用される「自分カタログ」の書き方
こんにちは、就職コンサルタントの秋里俊一です。
応募書類には「履歴書」と「職務経歴書」がセットで必要です。
今回は作成が難しい「職務経歴書」についてお話しします。
「職務経歴書」は応募者自身のカタログです。
「履歴書」には作成についての明確なルールがありますが、「職務経歴書」には作成のルールは特にありません。
作成に際しては自分を十分に理解してもらうために、これまでにやってきたことや、やれることを的確にかつ簡潔に表現することが必要です。
家電製品や化粧品などの商品カタログを思い浮かべてみてください。
そこには、購買意欲をそそるキャッチフレーズや写真、説明が散りばめられています。
商品の魅力、強み、利便性などのポイントを強調し、テータによる説得を加えて、全体が読みやすく構成されています。
「職務経歴書」もこれと同じで、自分の経験と能力をアピールし、採用者の購買(採用)意欲を刺激するために作成されるカタログなのです。
「職務経歴書」の作成に際しては、キャリアとスキルについて明確に区別する必要があります。
辞書を引くと、キャリアとは経験・履歴であり、スキルとは能力・力量とあります。
この違いを意識せずに作成された「職務経歴書」には、スキルが感じられず、キャリアも魅力ないものとなってしまいます。
単にキャリアだけを書いているのでは、詳しい「履歴書」にしかなりません。
スキルばかりを書いていては、自分に甘い人だと判断されてしまうでしょう。
キャリアとスキルを別項目として作成すると、スキルは単に(あるかどうかわからない)可能性を述べている形になってしまいます。
このキャリアとスキルを同時に表現しなくてはならないところに「職務経歴書」の難しさがあるのです。
「職務経歴書」では、キャリアの記述の中にスキルが感じられることがベストです。
営業所長として「全営業所中No.1の売り上げを達成した」と書くより、「10名の営業所で全員のチームワークによって全営業所中No.1の売り上げを達成した」と書く方が、統率力・指導力というスキルがキャリアとともにアピールできるとは思いませんか?
何回も推敲してキャリアとスキルの表現を工夫しましょう。
キャリアに絡めてアピールすることが難しいスキル(例えばそれまでの仕事とは直接関係が無いテーマを、長年勉強・研究してきた)をアピールしたいならば、「自己PR」の項を作ってそこに書き入れる方が無難です。
無理にキャリアに結び付けた記述は見抜かれるだけです。
募集会社に対してキャリアとスキルをどう表現し、面接につなげるかを考えると、私が繰り返しお話している「やりたいことよりやれること」でなければ、迫力ある「職務経歴書」を作成することが難しく、結果的に採用に結び付かないことがお分かりいただけるでしょう。
どんなに素晴らしいキャリアであっても、規模も状況も異なる募集会社でそのまま通用する保証はありません。
募集会社にとっては、採用した場合に「やってもらいたいこと」はハッキリしています。
それに基づいて求人募集をしているわけですから、直接関係がなければどんな立派なキャリアであっても魅力には感じられないのです。
むしろ、〝大変ご立派な経歴で、当社ではとてもとても…"となる可能性すらあります。
スキルについても同じです。
求めているスキルでなければアピールにつながりません。
応募するたびに「職務経歴書」を作り直すことは、絶対に必要です。
使いまわしはもっての外、一部の書き直しで済まそうとしても、全体の構成バランスが崩れます。
労力を惜しまず、募集職種・募集会社に合わせて、もう一度始めから作り直しましょう。
私は「履歴書」の補足資料のような「職務経歴書」をたくさん見てきました。
市販の就活本に沢山載っているサンプルを参考にすることはあっても、レイアウトや書き方を引き写すことをせず、自分のカタログを作るつもりで、自由な発想を持って作成してください。
それを読む採用担当者を想像して作成してください。
そうすれば、あなたの転職・再就職にとって、「職務経歴書」は強力な武器となるはずです。
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コンピュータ業界で約35年間にわたり多くの職種を経験後、大手就職支援会社でコンサルタントとして約10年間勤務しました。直接・間接に就職をお手伝いした人数は800名以上になります。現在はリタイアして、主に再就職ブログを通じてアドバイスを行っています。
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