PCの時刻ズレが起こす、深刻な10のトラブル!パソコンの時計設定のやり方

執筆者: 矢野勇雄 職業:パソコンサポーター
パソコンの時計がずれても、放っておけばいい?

こんにちは、パソコンサポーターの矢野勇雄です。

パソコンに時計機能が内蔵されていることを、ご存知の方は多いと思います。
では、その時計が狂うとパソコンにどのような問題が起きるか、理解している方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?


今回のコラムでは、Windowsの時刻の設定のやり方を解説する前に、時計が不正確だと何が起きるかをご説明しましょう。

 

 

 

SSLを利用したサイトやサービスの不具合が起きる
SSL対応をしているサイト接続ができなくなる

暗号化通信で利用するサーバー証明書には全て有効期限が決められており、パソコンの内蔵時計がずれていると証明書が正しく検証できずエラーになります。
このために、URLがHTTPSで始まっているようなサイトには接続できなくなります。

 

SSLなどを利用したメールの送受信ができなくなる

また、SSLなどを利用したメールの送受信もできなくなります。
したがって、アマゾンなどのサイトでの買い物もできなくなります。

時刻の自動調整ができなくなる

パソコンの時計が数年単位で狂っていると、後ほどご説明するインターネットを利用した時刻の自動的な同期ができなくなります。

Windows8.1ではデフォルトで、インターネット上のタイムサーバーを使って時刻の同期を行うようになっていますが、「時刻同期の振れ幅が大きすぎる」というエラーが出ます。

パソコンのテレビ録画機能が使い物にならなくなる

テレビ録画機能を持っているパソコンでは、実際とは違った時間に録画の開始、違った時間で録画が終わってしまったなんてことになりかねません。

送ったメールが、相手側で迷惑メールとして処理され、届かないことも

電子メールではサーバー証明書のエラーがなくてもトラブルが起きます。
メールの送付日時は、内蔵時計を基準にするため、実際の日時と時計が違っていると、メールサーバーや送り先のメールアプリで迷惑メールとして処理され、メールが届かないことがあります。

ファイルが探せなくなる!?

ファイル・サーバーとクライアント・パソコンの時刻がずれている場合、ファイル・サーバーにファイルを新規保存すると、ファイル・サーバーの時刻がファイルの作成日時として記録されます。


一方、ローカルに保存してからファイル・サーバーにコピーすると、クライアント・パソコンの時刻が作成日時になります。

 

このように同じファイルを保存しても、ファイルの保存先や保存の仕方によって、記録される時刻が食い違ってしまいます。
時刻がずれていると、後からファイルを探しても見つからないといった混乱の原因になります。

システムの復元時、混乱が起きる

システムの復元をする際、どの復元ポイントが新しいのか分からなくなり、混乱が起きます。

ファイルの更新日時が不正確になる

フォルダを開いて表示されるファイル群の、どのファイルが一番新しいのか分からなくなります。
履歴を使っての検索が不正確になり、探しているファイルが見つからなくなります。

Windows Updateが実行できなくなる

「エラーコード0x80248015」が表示され、WindowsUpdateが実行できなくなります。
このエラーは、日付が狂っていると発生します。

インターネットのサイトにログインできなくなる

ブラウザがサイトとのやり取りに利用するCookieには、有効期限があります。
時刻がずれることによってCookieが無効になり、通常は見ることができていたサイトにアクセスできない現象が起きます。

 

Windowsで時刻を調整する方法は?

ここまで書いてきたように、パソコンの時刻があっているかどうかは重大なトラブルの原因になります。

エラーが発生したら、まず時刻が正常に表示されているか確認してみましょう。
もし、時刻がずれていたら、以下の方法で時刻を調整しましょう。

今回は、Windows8.1の場合の方法を説明しますが、Windows7でも、ほぼ同じやり方です。

  • コントロールパネル→時計、言語、および地域→日付と時刻→日付と時刻の設定→インターネット時刻
  • もしくは、画面の右下に表示されている時刻を右クリック→日付と時刻の調整→インターネット時刻


ここで「’●●●’と自動的に同期するように設定されています。」と表示されていれば、特に何もする必要はありません。

時刻サーバーの時計に合わせてパソコンの内部時計を更新し、時刻を正確に維持できるように設定できています。

もし、エラーが表示されていたら
  1. 「設定の変更」をクリックします。
  2. 「インターネット時刻サーバーと同期する」にチェックが入っているか確認します。
  3. 指定されているサーバーにエラーが出ていたら▼を押して、別のサーバーを選びます。
  4. 「今すぐ更新」をクリックして、時刻が同期されたら作業を終了します。


再びエラーになったら、さらに別のサーバーを選んでみましょう。

 

おわりに

時間のずれが数分程度ならば、それほど顕著なトラブルは起きないのですが、ずれが大きくなると目立ってトラブルが増えていきます。

 

重大なトラブルが発生しないよう、上記方法でパソコンの時計をインターネット時刻サーバーと同期する設定にしてご利用ください。

 
 コラムニスト情報
矢野勇雄
性別:男性  |   職業:パソコンサポーター

福岡市とその近郊でパソコンの出張サポートをやっています。パソコンを使っていて困った際のサポートを行っています。具体的にはパソコンの初期設定、インターネットへの接続、ウイルスなど迷惑ソフトの削除、旧パソコンから新規パソコンへの各種設定・データの引っ越しなどをやっています。

 

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