初心者さんの書道入門。道具の準備・姿勢・筆の持ち方・文字練習を学ぼう

執筆者: 福田玉庭 職業:書道師範
はじめに

こんにちは、書道師範の福田玉庭です。

 

初心者の方が、書道を学ぶ方法(基本~創作)をご紹介します。

前回は、道具の揃え方についてお話ししました。

 

今回は、初心者のための練習法です。

書道の道具が用意できたら、実際に書いてみましょう。

道具を揃えて書く準備を
机の汚れ防止

必要であれば、机に新聞紙(折り目で半紙がごわつかない様に注意)や、汚れても良いテーブルクロスを敷きます。

また、書いた半紙を置いておくための新聞紙等も近くに用意して下さい。

 

新聞紙は、半紙の墨とくっつくので、もし作品として残したい場合は、不要になったシーツや、大き目のフェルト生地(100円ショップ等にあります)を使用しても良いでしょう。

 

道具一式を揃える
墨を磨らずに、墨池又は不要になった深目のお皿に、墨汁を入れて使用するのでも良いです。

 

  • 文房四宝(ぶんぼうしほう)と呼ばれている筆・紙・硯・墨
  • 下敷き
  • 文鎮
  • 筆置き
  • 水滴(水差し)

 

新しく購入した筆の穂(毛)が糊で固まっている場合は、筆をおろす必要があります。穂先から根本までを指先でもみほぐし(固い場合は、水等に浸けながら)、水やぬるま湯につけて糊を除いて下さい。

 

汚れても良い服装で

汚れても大丈夫な服装や、黒や紺などの濃い目色の服装、エプロンなどを装着すると良いでしょう。

 

 

正しい姿勢が重要

書道をする際は、姿勢がとても重要です。

基本は、肩の力を抜き、半紙と正面に向かい、背筋を伸ばすだけです。

 

姿勢のポイント

書き方は、座る、立つ、膝をつく等それぞれですが、以下の3点がポイントになります。

 

  • 視野が広く、紙面を見渡せる姿勢
  • 大きな動きがスムーズにできる姿勢
  • 無理のない自然な姿勢

 

座り方の注意点

机に向かって、正座または椅子で座る場合の注意点です。

 

  • おへその位置に、机の高さがくるようにする。
  • 机の正面に座る。
  • 背筋を伸ばして、両足が床に着くようするか、正座をする。
  • 体の中心に紙を置き、体がよじれないようにする。
  • 紙の左下を、左手で軽く押さえる。

 

正しい筆の持ち方

筆を正しく持つことは、書道上達の大前提です。

 

鉛筆のように筆を斜めにして書いてしまうと、良い線が書けません。
変な癖がついてしまわないよう、特に心掛けると良いでしょう。

 

以下、代表的な持ち方です。

双鉤法(そうこうほう)

親指、人さし指、中指で筆を持ち、薬指を添えます。

 

 

単鉤法(たんこうほう)

鉛筆の持ち方と同様に、親指、人さし指で筆を持ち、中指を添えます。

 

筆の持ち方に共通するポイント


  • 軽く持ち、力まない。
  • 筆管の3分の1程度のところに親指をそえる。
  • 筆は立てて書く。
  • 肘を上げる。
  • 筆と肘を連動させて書き、手首では書かない

 

筆慣れをさせましょう

筆で書くのは、子供の時以来とか、筆を持つことすら初めてという場合は、まずは気負わず自由に書いてみましょう。

 

「○」「△」「□」やグルグル、縦線、横線、自分の名前など何でもOKです。

そこで、筆は怖くないということを感じて下さい。

 

筆の毛先をぐりぐりと強く押してしまうと、筆を痛め割れる原因となります。筆は優しく扱いましょう。

 

 

線の練習「永字八法(えいじはっぽう)」

「筆づかい」には、「とめ・はね・はらい」等の、様々な基本があります。


「永」という文字は、楷書の「筆づかい」の八つの基本点画が含まれています。

「永字八法」(えいじはっぽう)と呼ばれ、昔から手習いの時に使用されてきました。


何度も何度も、練習をすると良いでしょう。

 

八つの技法
  • 側(ソク):点のこと
  • 勒(ロク):横画のこと
  • 努(ド):折れ・転折のこと
  • 趯(テキ):縦画のこと
  • 策(サク):はねのこと
  • 掠(リャク):左はらいのこと
  • 啄(タク):短い左はらいのこと
  • 磔(タク):右はらいのこと

 

お手本を入手

お手本は、市販でも、インターネットでも入手できます。

 

インターネットの場合は「永字八法お手本」と検索すると、色々と出てきます。
好きな雰囲気だと感じたお手本を、プリントアウトして使用して下さい。

 

B4用紙が、ちょうど半紙と同じくらいのサイズです。

おわりに

最初は、意識し過ぎて固く書いてしまうかもしれませんが、何度も繰り返すうちに、自然と身についていきます。

 

書道は、書いた分だけ上達します。

基本の書き方を覚えたら、後はひたすら臨書をすると良いでしょう。

 
 コラムニスト情報
福田玉庭
性別:女性  |   職業:書道師範

「伝統的な」書道を追求しつつ、書に書画を取り入れたデザインの制作もしています。
古典や歴史を学びながら、日々書道を精進
書道教室「書の庭」を埼玉県越谷市で開塾
ウェルカムボードのネットショップ「あとりゑ玉響」運営
URL http://gyokuteifukuda.com