お金が貯まる期間が分かる!お金を増やす「複利運用」と「72の法則」

執筆者: 荒川雄一 職業:国際フィナンシャルコンサルタント
着実に「お金」を増やす方法とは?

こんにちは、国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。

 

現金をただ積み上げていっても、お金はそれほど増えない…

さて以前に、現金をただ積み上げていっても、そう簡単に「お金」を増やすことはできないという話をしました。

 

しかし、実際に100万円貯めた人が、その後200万円、300万円と着実に「お金」を増やすことができたといった話は良く耳にします。

 

知っておきたい「複利」効果

その理由はいったい何なのでしょうか?

「答え」の一つが、「複利」という考え方にあります。


今回は、この「複利」について、しっかり勉強しましょう。

 

 

「単利」と「複利」の違い
利息のつき方の種類

金利には、一般的に「単利」と「複利」という2つの考え方があります。

 

100万円を、1年に5%の利息がつく条件で預けた場合

例えば100万円を、仮に1年に5%の利息がつく金融商品に預けたとしましょう。

 

単利の場合、10年後には150万円に

単利とは、この利息5万円(ここでは税金は考慮しません)を、毎年引き出して受け取ることをイメージしてください。

仮に10年間利息を受け取ることができたとして、元本と受け取った利息の合計は、こうなります。

 

  • 元本100万円+利息5万円×10年=150万円

 

 

複利運用の場合は?

では、この利息5万円を毎年受け取らずに、10年間そのまま預けた場合は、どうなるのでしょう。

 

初年度は、元本100万円+利息5万円=105万円となり、引き出しはしません。
2年目の元本は105万円となり、それに5%の利息がつくので、110.25万円となります。

3年目以降も、利息が元本に加わり、そこに利息がさらについていきます。

 

結果、10年目で受け取る総額を計算すると、1,628,894円にまで膨らみます。

このことを、「複利運用」と呼びます。

 

複利の場合、10年後には163万円に。単利との差は、約13万円!

単利の場合は150万円だったのに対し、複利では約163万円となり、その差は何と約13万円にもなります。

 

今の例では、金利を5%としましたが、この金利が高くなればなるほど、複利と単利で受け取る額が大きく変わってくるのです。

覚えておきたい「72の法則」とは
では、ここで質問です
「いま、あなたが100万円持っていたとして、金利1%の利率で複利運用した場合、一体、倍の200万円になるまで何年かかるでしょうか?」

 

答えに詰まってしまう人が多いかもしれませんね。


答は「約72年」です。
さて、この答えを簡単に出す方法があります。

 

元本が2倍になるまでのおよその期間をさっと計算できる!

それが「72の法則」です。
この法則の式は、「72÷金利=元本が2倍になるまでのおよその期間」という単純なものです。

 

従って、金利が0.1%、1%、10%でそれぞれ考えてみると以下となります。

 

  • 72÷0.1%=約720年
  • 72÷1% =約72年
  • 72÷10% =約7.2年

 

ちなみに、私が貯蓄をしていたころは、金利が約5%ありました。

だから「お金」が増えるのも早かったわけです。

 

「元金を倍にするのに必要な利回り」を算出するのにも使える

そして、この式はこんな使い方もできます。
「いま持っている100万円を、10年で倍にしたい。その場合どれだけの利回りが必要か?」

 

式にすると「72÷必要金利=10年」ですが、これは「72÷10年=必要金利」と置き換えられます。
従って、「約7.2%」の利回りが必要となります。

 

超低金利時代の今、100万円を200万円にするのに約720年もかかる…

しかしながら、今の時代、このような預金金利は残念ながらありません。

 

現在、大手銀行の10年物の定期預金金利は0.1%程度です。
これで100万円運用した場合、倍になるまで、72÷0.1%=約720年かかる計算です。

 

 

よって、投資への取り組みが必要になる

これでは、残念ながら「お金」を増やしていくことは、なかなかできません。
そこで「資産運用(投資)」への取り組みが必要になってくるのです。

おわりに

わたしが毎月5万円の積み立てを行っていた時の金利は、上述のように5%近くありました。

 

今思うと夢のような金利です。

従って、100万円貯めることによって、毎月の積立額と共に、“複利の効果”で加速度的に「お金」を貯めることができました。

 

残念ながら、今は超低金利である為、単純に預金だけでは「お金」を増やすことはできません。
ただ、投資を行う場合にも「目標金利(目標利回り)」をどの程度にするかは、とても重要なことです。


この「複利の考え方」と「72の法則」は、「お金」を増やしていく上で非常に重要ですので、しっかりと覚えておいてください。

 
 コラムニスト情報
荒川雄一
性別:男性  |   職業:国際フィナンシャルコンサルタント

投資顧問会社IFA JAPAN®株式会社ほか、リンクスグループ3社の代表を務める。現在、経営コンサルタントのほか、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。
また教育にも力を入れており、講演回数は800回以上。その他、日本経済新聞社、各マネー誌、フジTVなど執筆、出演も多数。

■ライセンス
経済産業省登録 中小企業診断士
国土交通省登録 公認 不動産コンサルティングマスター
日本FP協会認定CFP® 他

■メディア実績(執筆、取材など)
 ・日本経済新聞 、日経ヴェリタス 
 ・納税通信、税理士新聞
 ・富裕層向け雑誌「ミリオネア」「NILE’S NILE」
 ・フジテレビ「とくダネ!」、テレビ朝日「やじうまテレビ!」など

■著書
「海外分散投資入門 ―日本が財政破たんしても生き抜くためのノウハウ―」
(Pan Rolling社)
「海外ファンドのポートフォリオ」(Pan Rolling社)
「着実に年10%儲ける海外分散投資入門」(実業之日本社)
「投資のプロが教える初心者でも失敗しないお金のふやし方」(IFAメディア出版)