「お化けが来るよ!」脅しの子育てが与える影響としつけのポイント
おばけや鬼で子どもを脅す「脅し子育て」は、子供にどんな影響を与えるのでしょうか。お化けや鬼など、昔話・童話を使った教育のポイントを解説。
子どもとの生活に「脅し」はつきもの。
- 「そんなに悪い子だと、鬼が来るよ」
- 「お化けに連れて行かれるよ」
こんな言葉を口にしたことがある方は、きっと少なくないと思います。
ですが、その一方で「子どもにウソはダメと言っておいて、大人がウソをつくのはおかしい」との考えから、お化けや鬼で脅すのはよくない、という意見もあります。
あなたはどう思いますか?
私は、小さい頃にこういった架空の恐ろしいものを使って脅されるという経験は、子どもにとって大切だと考えています。
そう思う理由は、以下の通りです。
例えば、有名な「三枚のお札」のお話では、世にも恐ろしい描写の鬼ばばが、小僧を食べようと、いつまでも追いかけてきます。
一見、鬼ばばは悪者にしか見えません。
ですが、実はここには、れっきとした因果関係があるのです。
小僧がそんなひどい目に遭った理由は、そもそも小僧が和尚さんの言うことを聞かずに、山奥へと出かけたからでした。
他の様々な昔ばなしでも、主人公が怖い目に遭ったり、困った事態に追い込まれるのは、決まって目上の存在からのアドバイスに従わない時や、人として思いやりの無い行動をした時などです。
昔から子を脅す大人の言葉は、そのような昔ばなしと切り離せないものでした。
- 「こんな暗くなってから外に行ったら、鬼婆に食われるぞ」
- 「聞き分けの無い子は、鬼がさらいにくるぞ」
そう言われて脅されているうちに、子どもの心中には、善悪の基準がだんだんと染み込んでゆきます。
「どうして?」とはとても聞けない、有無を言わさない、理解できずとも従わなくてはならない、抗えないほどの力を持つ基準であり、価値観です。
鬼やお化けは、言ってみれば目には見えないけれど、「自分を見ている」という意味合いにおいて、神様と同義です。
見えない存在が恐ろしいからしない、または、見られて恥ずかしいことはしてはいけないという価値観は、自身を律する心の育つ芽と言えます。
誰も見ていなくても、恥ずかしいことはしちゃいけない。
鬼やお化けが登場する昔ばなしや、脅し口調から子ども達に伝えたいのは、そんな大事なメッセージなのだと思います。
とはいえ、むやみやたらに濫用すると効果が薄れるのは、当然の結末です。
子どもを震え上がらせるのは、ここぞという時にとっておいてくださいね。
また、昔ばなしの本を選ぶときは、アニメ調の絵のものは避け、口伝の形を大切にしたものを選ぶことをお勧めします。
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シンガポール在住、四児の母。
子どもが通う幼稚園は、「子どもの行動はお母さんに原因がある」とばっさり切られるところ。
そこでの洗礼と愛で、母としてタフになりました。
子育て系、旅レポートライターとして活動。
子育てアドバイザーとしてお話会などもしています。
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