薬剤師が教える「ビタミンC」の効能!おすすめの食べ物と効果的な食べ方 (1/2)

ビタミンCの効果・効能、多く含まれる食材と含有量を紹介。シミやニキビ、美白など美肌にいい調理・料理方法のコツとは。

執筆者: 宮本知明 職業:薬剤師
はじめに

こんにちは、薬剤師の宮本知明です。

 

女性が気にする綺麗な肌。

シミやしわ、ニキビなどのスキンケアに熱心な女性も少なくありませんが、紫外線やホルモンバランスの影響で、どうしても肌荒れを起こしてしまう時もあります。

そんなお肌トラブルを解決してくれるのがビタミンCの特徴です。

 

今回は、ビタミンCの効果と上手な取り入れ方をご紹介します。

 

 

ビタミンC、別名「アスコルビン酸」

ビタミンCは、水溶性のビタミンです。

別名「アスコルビン酸」と言います。

 

体内で合成されないので、外部から摂取する必要あり

私たち人間が作ることができないビタミンの1つが、この「ビタミンC」です。

そのため、食事などによって外部から摂取する必要があります。

 

水溶性なので水に流れやすい

ビタミンCは、水溶性なので水に流れやすく、熱によって効力が減少してしまうという性質があるため、調理には気をつけなくてはなりません。

 

代表的な欠乏症は「壊血病」

ビタミンCの代表的な欠乏症は「壊血病」です。

 

壊血病の初期症状は、倦怠感や疲労感、食欲不振、筋肉痛などで、進行すると歯肉の膨張、出血、全身の点状、斑状出血、消化管出血、骨膜下出血、貧血などを起こします。

 

小児の場合は、骨端軟骨部の骨芽細胞の発育が悪くなり、骨の発育遅延を起こします。

ビタミンCの効果
抗酸化力

ビタミンCは、強い抗酸化力があるのが特徴です。

 

ビタミンCは、血管内では還元型のアスコルビン酸として存在します。

過剰な活性酸素などが存在しますと、正常な細胞にダメージを与えてしまうのですが、アスコルビン酸は、抗酸化力を発揮して過剰な活性酸素などの対象物質を還元し、デヒドロアスコルビン酸になります。

そうすることで、体内での過剰な酸化反応を防いでいます。

 

なお、ビタミンE、β-カロテン(ビタミンA)といった他のビタミンも、強い抗酸化作用を持っています。

コラーゲンを作る

コラーゲンには、細胞と細胞をつなぐ接着剤の働きや、骨を丈夫にする働きがあります。

血管や筋肉を丈夫に保つとともに、皮膚、骨、粘膜の形成を担います。

このように、体を構成するたんぱく質の30%を占めるコラーゲンの生成にビタミンCは関わっています。

 

コラーゲンの構成物質であるヒドロキシリシンとヒドロキシプロリンは、 ビタミンCがリシンとプロリンが酵素反応により水溶化される酵素の補酵素として働きます。

ビタミンCが不足すると十分な酵素反応がされなくなってしまうため、コラーゲンの生成に影響がでてきます。

シミを薄くする

肌のシミやソバカスの原因として嫌われているメラニンですが、実はとても重要な働きを担っています。

紫外線が表皮の下の真皮にまで侵入すると、コラーゲンやヒアルロン酸などからなる網目状の細胞に乱れや破壊が生じ、その結果保湿性、弾力性が失われて、肌がしわになってしまいます。

 

メラニンは、紫外線を吸収することで肌を守ってくれているのです。

メラニン色素は、皮膚の一番下の基底層と呼ばれるところで作られます。

 

そして新陳代謝で新しい細胞に押し上げられて、通常28日で角質層まできて、最後は剥がれ落ちます。

 


ビタミンEやβ-カロテンには、紫外線により発生した活性酸素を除去する働きがあります。

またビタミンCには一度できてしまった黒色メラニンを無色の還元型メラニンへと変化させ、目立たなくする働きもあります。

 

ストレス耐性を高める

人間はストレスを感じると、腎臓の上部にある副腎からアドレナリン等の副腎皮質ホルモンを分泌します。

この抗ストレスホルモンの作用により血糖値が上昇してエネルギーを増やすことで、ストレス耐性を高めようとします。

ビタミンCは、この副腎皮質ホルモンの生成時において補酵素として必要となります。

具体的には副腎皮質ホルモンである「アドレナリン(エピネフリン)」や「ノルアドレナリン」が生成される際の中間体であるドーパミンを、ヒドロキシドーパミンに変化させる水酸化酵素(ドーパミンβ-ヒドロキシラーゼ)を還元化して安定化させるのに働きます。

 

ビタミンCは、その還元力で副腎皮質ホルモンの生成に関与しているのです。

副腎にはもともとビタミンCがたくさん蓄えられいて、副腎皮質ホルモンの分泌量が増えるほどビタミンCの消費量も増加します。

 

したがってストレスに備える体制をしっかりと整えるには、ビタミンCを十分にとることが大事です。

鉄分の吸収を助け、貧血を防ぐ

女性の貧血で最も多いのが、鉄欠乏性貧血です。

これは酸素を運ぶ赤血球内のヘモグロビンの構成成分である鉄が不足することが原因で、月経による血液の流出や無理なダイエットなどが主な理由です。

 

こうした症状は、鉄分の多い食事や鉄剤などの摂取で改善します。

鉄にはヘム鉄(2価鉄)と非ヘム鉄(3価鉄)があり、ヘム鉄は吸収率が15%~25%ほどで、非ヘム鉄は2%~5%と開きが有ります。

 

ビタミンCはその還元作用により、非ヘム鉄をヘム鉄へと還元する働きが有り、これにより鉄の腸管での吸収が促進されます。

実験結果では、鉄4mgとビタミンCを60mg加えたごはん食と、鉄4mgのみを加えたごはん食を比較したところ、ビタミンCを加えたごはん食の方が鉄の吸収率が4倍に増えたといった報告があります。

 

また、ピザやハンバーガーでの同様の実験でも2.3倍、1.5倍増加したという報告が有ります。

 

免疫力を上げる

ビタミンCは、免疫機能を担っている白血球の1つ「好中球」の活性維持や増強に関与します。

 

また、抗ウイルス作用に関係するインターフェロンの分泌も促進します。

インターフェロンはウイルスに感染した細胞から分泌され、まだ感染していない他の細胞の抵抗性を増強します。

インターフェロンはウイルスに感染した細胞を攻撃する「ナチュラルキラー細胞」の活性化にも関与します。

 

ビタミンCを多く含む食材・上手な取り方
パプリカ(含有量 赤:170㎎/100g,黄:150㎎/100g)

パプリカには、ビタミンCが多く含まれています。

特に赤いパプリカのほうが含有量が多く100g当たりの含有量170㎎、黄色は100g当たりの含有量150㎎となっております。

 

1日に必要なビタミンC摂取量目安は100㎎なので、1日で1/3個分~1/2個分摂取するだけで十分に満たされます。

パセリ(含有量 120㎎/100g)

パセリは、料理の飾りつけとして出されますが、100g当たりの含有量120㎎と多いのです。

他にも、口臭効果が期待できますので、食後にパセリをいただいて、ビタミンCの摂取と口臭予防に役立ててみてはいかがでしょうか。

 

アセロラ(含有量 1700㎎/100g)

アセロラは、100g当たりの含有量1700㎎とかなり濃いビタミンC豊富な果物です。

柿(含有量 70㎎/100g)

柿にも、レモンよりも多いビタミンCが含まれています。

また、二日酔い効く果物としても知られてます。

キウイ(含有量 69㎎/100g)

ビタミンCの他に食物繊維も豊富なキウイ。

ビタミンC含有量は、こちらもレモンよりも多いです。

 

キウイの整腸効果も加わって、さらに美容効果が期待できます。

カリウムの含有量も多く、高血圧や動脈硬化の予防にも効果があります。

 

ローズヒップ(含有量 426㎎/100g)

ローズヒップは「ビタミンCの爆弾」と言われるほど豊富にビタミンCを含んでいます。

ハーブティーとして飲用されることが多いですね。

 

ローズヒップティーには、肌の生まれ変わりによって、毛穴が小さくなる、黒ずみが目立たなくなる効果があります。

また、アンチエイジング効果、生理痛・生理不順の症状緩和、妊娠中の栄養補給にも用いられます。

 

レモン(含有量 50㎎/100g)

レモンは、ビタミンCの比較でよく取り上げられますが、実はそれほど多くは含まれていません。

100g当たりの含有量は50㎎です。

 
 コラムニスト情報
宮本知明
性別:男性  |   職業:薬剤師

薬剤師/ジェモセラピスト/漢方ソムリエ。病院薬剤師を経て“薬と共存しない生活”の念いからホリスティックな健康観と出逢う。現在は、新婚女性、新米ママさんを西洋医学・東洋医学・自然療法の良さを合わせた統合医療の知識をもった“ホリスティックな健康観を持つ女性”に育成する活動をしている。

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