「飛蚊症」の症状を眼科検査技師が解説!視界に黒い点やアメーバ状のもの、光がちらちら見える…
飛蚊症(ひぶんしょう)の症状が、失明の可能性のある「網膜剥離」といった他の眼疾患や、脳疾患の前兆である場合があります。3つの症状別に、考えられる病気を紹介。治療の緊急性の有無、スムーズに病院を受診するためのポイント等を解説します。
こんにちは、眼科検査技師の中根千恵です。
今回のテーマは「飛蚊症(ひぶんしょう)」です。
飛蚊症と言っても、下のように様々な症状があります。
- 黒い点のようなものが見える
- アメーバのような半透明なものが見える
- 光が見える
それにより疑われる眼疾患も様々で、例えば失明に至る前兆であるなど、緊急で治療を要するケースも見受けられます。
今回は、飛蚊症から推測できる眼疾患をお伝えします。
この症状が出た場合、失明に至る可能性があります。
次のような眼疾患が考えられます。
- 網膜裂孔(もうまくれっこう)
網膜に小さな穴があいている(破け始め)
- 網膜剥離(もうまくはくり)
網膜裂孔の破け目が拡大している状態
- 糖尿病網膜症などによる眼底出血
網膜には多くの血管があり、そこから出血している状態
脳梗塞・脳卒中の前兆、緑内障発作、眼底出血・網膜剥離が大きく拡がってきている状態などの際に、このような自覚症状が出ます。
生死、失明に関わるので、一刻も早く病院へ行ってください。
下記を正しく医師に伝える事で、無駄のない迅速な処置が受けられます。
- 眼球、または目のまわりを打撲した直後から見える
網膜剥離の可能性が高いので直ちに眼科へ!
- 左右ずつ目隠しを行い、どちらの眼に黒い点が見えるのか確認
- 黒い点が何個見えるのか確認
これにより、網膜のどの場所に裂孔や出血しているのか・炎症部位は何箇所ほどあるのかが解ります。
- 視点を動かしても同じ位置に黒い点が見えるか確認
- 黒い点が大きくなってきているか
大きくなってきたら裂孔の穴や、出血が拡がってきている可能性があります。
後ほど詳しく述べますが、次の4つ全てに当てはまる場合は、生理的飛蚊症(病的ではなく治療は必要ない)可能性が高いです。
☑ 黒い点が1〜2個程度
☑ 見るたびに全ての黒い点の位置が変わる
☑ 黒い点がゆらゆら動く
☑ 常に黒い点が見えている訳ではない(月に数日、数分〜数時間程度見えるだけ)
ですが、「絶対に大丈夫」という確実な明言は出来ませんので、間を空けず近日中に眼科を受診して精密検査を受けましょう。
☑ アメーバのようなものが、ゆらゆら浮いて見える
☑ 黒い点が時々、ゆらゆら動いて見える
上記の症状からは、例として、次のような眼疾患が考えられます。
- 後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)
- 偽落屑症候群(ぎらくせつしょうこうぐん)
これらの疾患は病名こそついていますが、治療する必要性はありません。
眼球内には、目の丸みを保つためゲル状の液体が「硝子体」という部位に溜まっています。
目のまわりを打撲したり、加齢などにより、網膜に張り付いている硝子体の膜が剥がれることがあります。
これを「硝子体剥離」と言います。
※「硝子体剥離」は、「網膜剥離」とは全く違います。
剥がれた膜は、硝子体のゲル状の液体に混ざり、「不純物」として硝子体内を泳ぎ続けます。
視覚は、角膜(黒目)から画像が網膜に映ることによって見えます。
硝子体内に不純物があると、その不純物が影となり網膜に映ります。
それが、アメーバのようなものが浮いて見えたり、黒い点がゆらゆら動いて見えたりする症状の原因となります。
ゆらゆら動いて見えるのはゲル状の液体に不純物が浮いているせいです。
地球には重力があるので、不純物が下の方へ降りている時は見えなくなります。
しかし、横になったり運動等で不純物が硝子体の真ん中辺りにくると、また見えるようになります。
この不純物は「病気」ではないので治療は必要ありません。
ですが、鬱陶しく日常生活で不便を感じる場合は「自費診療」でこれらの不純物を取り除く手術を行なっている眼科もあります。
硝子体の膜と、網膜は薄皮1枚でくっついているようなものです。
硝子体剥離と共に、網膜剥離を起こす場合があります。
そうなると「網膜剥離」つまり失明の危険性が出てきます。
☑ 光がキラキラ、数分から1時間ほど続いた
網膜には無数の血管があります。
偏頭痛は、血流の巡りが悪くなると起こる場合があります。
この血流の巡りが網膜に刺激(網膜に痛みを感じる神経はありません)を与え、それが電気信号のように光として視界がチカチカする症状が現れます。
この症状が起こってから30分〜1時間後に頭痛が始まります。
吐き気を伴う頭痛になったら、救急で脳外科を受診してください。
また、このように光がキラキラした後に偏頭痛になる症状が繰り返し起こる方は、眼ではなく、脳または身体的に何か疾患があるケースが多くあります。
眼科ではなく、脳外科・脳神経科を受診しましょう。
偏頭痛や頭が重くなったら、脳外科・脳神経科へ。
特に偏頭痛がないなら眼科へ。
例として、次のような眼疾患が考えられます。
- 網膜剥離
網膜が破けた瞬間、このような自覚症状がある場合があります。
失明する可能性が高いので速やかに眼科を受診してください。
- 閃輝暗点
こちらは前項でご説明した「偏頭痛」の前兆の場合があります。
「視界が光でキラキラした」「光がギザギザに走った」といった自覚症状が出たら、30分ほど様子をみてください。
そして、速やかに受診しましょう。
症状別に、考えられる疾患をご紹介しましたが、確実な事は眼科で「眼底検査」を行わなければ解りません。
自己判断で大丈夫だろうと思っていたら「網膜剥離だった」という方々は少なくありません。
また、脳梗塞などの前兆の場合もあります。
何科へ行けばいいのか分からない場合は、まず眼科を受診してください。
そして受付で緊急性を訴えましょう。
律儀に順番待ちしている場合ではない事もあります。
「目」だから、と侮れないのが飛蚊症の怖さだという事をぜひ覚えておいてください。
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