沖縄の恵み!島野菜の特徴・効能・おすすめの食べ方【葉野菜編】
栄養価が高いことで知られる沖縄の伝統野菜(島野菜)。その特徴や効能、おすすめの食べ方やレシピを紹介。今回取り上げるのは、葉野菜6種類!フーチバー、サクナ、ニガナ(ンジャナ)、シマナー、カンダバー、ハンダマです。
沖縄在住の料理研究家、新崎亜子です。
沖縄の輝く太陽の下で育ったカラフルな島野菜。
ゴーヤ・紅イモ・島人参など、知らない人もいないくらいポピュラーですね。
島の灼熱の太陽を浴びた沖縄の伝統野菜は、暑さから身を守れるよう耐暑性が高く、風雨にも強く色が濃い野菜が多く見られます。
室町時代から明治時代初めにかけて琉球王朝が栄え、独自の文化を繁栄させてた沖縄は、中国の交流が深く、食文化は両方の影響を受けてきたことが見受けられます。
琉球料理に使われる沖縄の島野菜は、中国の薬膳的・中医学的な思想を取り入れており、古くから薬草としても有効利用されているのです。
今回は、沖縄の島野菜の中から葉野菜を取りあげ、特徴・効能・おすすめの食べ方などをご紹介しますね。
フーチバーの和名は「よもぎ」。
キク科で、収穫期は通年です。
出典:JAおきなわ
沖縄では古くから薬草として親しまれ、殺菌・浄化・体を温める効果があります。
道端や公園などでよく見かけますが、プランターでも育てやすく、生えてきた若葉を摘んで調理します。
なお、フーチバーは、県外のヨモギとは違いがあります。
「ニシヨモギ」という種類になり、比較的苦味が柔らかいのが特徴です。
独特の香りと苦みがあり、山羊汁などの臭み消しなどに使われています。
- 細かく刻んで炊き込みご飯に
- 沖縄そばの薬味として
【材料】(20cm2枚分)
- フーチバー(またはヨモギ)の葉 20g ※茎は使いません
- じゃがいも 1個
- 桜エビ 小さじ1
- 卵 1個
- 小麦粉 1カップ
- 水 1カップ
- 醤油 小さじ1
- サラダ油 適量
- じゃがいもは皮をむいて細切りにして水にさらし、水分をしっかり切っておく。
- ボウルに小麦粉を入れて、水と卵を加えて泡だて器でよく混ぜる。醤油・桜えび・ちぎったフーチバー・じゃがいもを加えて混ぜる。
- サラダ油小さじ2を熱し、2の半量を流し込む。中火でこんがり焼き、裏も同様に焼く。
- 残りの生地も、油を追加して同様に焼く。
サクナの和名は、「ぼたんぼうふう」。
セリ科で、収穫は通年可能です。
八重山(やえやま)地方では「長命草(ちょうめいそう)」と呼ばれています。
沖縄県内でも、海辺や垣根に自然に生えているのを目にします。
独特の香りがあり、古くから風邪の咳止めなどに効く薬草として重宝されていました。
カロテンやカルシウムが豊富です。
おすすすめの食べ方
- 軽くゆでてから白和えに
- 生のまま天ぷらに
- 魚や肉の汁物の薬味として
ニガナの和名は、「ほそばわだん」。
沖縄の方言では、「ンジャナ」と呼ぶこともあります。
キク科で、収穫期は12~5月です。
出典:JAおきなわ
野生のものは海辺に生えています。
また、味は、その名前のとおり苦みがあります。
こちらも上でご紹介したサクナ同様に薬草のひとつで、ビタミンC、カロチン、カルシウム豊富です。
見た目は、小松菜に似ていますね。
- 細切りにし水にさらしたものを豆腐とあえて白和えに
- 細切りにし水にさらしたものをごま和えに
- 生のままざっくり切ってかき揚げに
- イカスミ汁の薬味として
シマナー(島菜)の和名は、「からし菜」。
アブラナ科で収穫は通年可能です。
出典:JAおきなわ
沖縄の伝統的な野菜で、独特の辛味があります。
通年栽培されているため、他の葉物野菜が品薄になりがちなときでも手に入りやすく、台風の季節や夏場などには、特に重宝されています。
- 漬物に
- おひたしに
- 豆腐やツナと一緒に炒めた沖縄の伝統料理「ちきなーちゃんぷる」に
- 味噌汁の具として
カンダバーの和名は「かずら」。
ヒルガオ科で、収穫期は7~12月です。
暑さの厳しい夏場にも手に入りやすい葉野菜として、昔から沖縄の家庭で親しまれています。
クセがなくビタミンA、C、B1,B2、食物繊維が豊富。
抗酸化作用が、沖縄野菜の中でも最も高い野菜です。
- 煮物に
- 軽く茹でて和え物に
- 味噌汁の具として
ハンダマの和名は、「水前寺菜」。
キク科で、収穫期は12~5月です。
不老長寿の薬草として親しまれ、ポリフェノール、鉄分やカルシウム、カロテンなどが豊富です。
葉の裏が鮮やかな紫色なのは、ポリフェノールの一種「アントシアニン」という色素が含まれているため。
強い抗酸化作用があり、血糖値を抑える効果も期待できます。
おすすめの食べ方
- 葉は生のままサラダに
- ゆでて酢味噌和えに
※茹でると、ぬめりがでるのが特徴です。
【材料】
- 米 2合
- ハンダマ 20g(葉のみ)
- 梅酢 小さじ1(なければ酢)
- 水 適量
- 米は洗い30分浸水させる。ざるにあけ炊飯器に入れる。
- 5mmに切ったハンダマ、梅酢を1の炊飯器に入れる。2合の目盛りまで水を入れて炊飯する。
- 炊き上がったら、混ぜ合わせておむすびにする。
野菜の効能・特徴を知れば、もっと島野菜を楽しめるようになること間違いなしです。
市場や八百屋さん、アンテナショップなどで見つけたら、是非手に取ってみてくださいね。
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