相撲、婚礼、安全祈願…日本文化と昆布が織りなす、知られざる伝統

執筆者: 岩佐 優 職業:昆布料理研究家
はじめに

こんにちは、昆布料理研究家の岩佐優です。

 

日本の伝統芸能、相撲。日本人なら知らない人はいないですよね。
今回は、相撲と昆布の意外な関係をご紹介します。

 

 

土俵の安全祈願には昆布が使われている

現在の大相撲は、1年に6回の開催。
初日の前日には、必ず土俵の安全と五穀豊穣を祈願する儀式が行われます。

行司が祭主を務め、土俵の中央の穴に鎮物(しずめもの)を埋める「土俵祭り」です。
鎮物の中身は昆布・勝栗(かちぐり)・するめ・かやの実・洗米・塩。
それらをかわらけという器に入れて、奉書紙で包み、紅白の水引を結びます。
そして、土俵中央の15cm角の穴に納め、御神酒を注いで、土で埋めるのです。

夏場所の土俵祭りを見学しました。

とても厳かな儀式です。
白鵬関などの横綱をはじめ、大関陣も列席します。

 

両国国技館の一階にある相撲博物館では、特別展が開催されており、この期間は実際の鎮物の中身を見ることが出来ます(2014年8月22日まで)。
なお、昆布の形状は、幅1㎝長さ5㎝ほどで、枚数は5枚ほどでした。

 

 

今もなお日本文化と結び付いている昆布

その昔、昆布はその形状から「ひろめ(広布)」と呼ばれました。
昆布の語源は、この「ひろめ(広布)」を音読みにした、コウフ・コウブが訛ってコンブとなったという説があります。


名前の由来は諸説あるようなのですが、いずれにしても、昆布は単に食べ物であるだけではなく、日本文化と歴史的に密接な関係があるものなのです。

そして、今もなお、婚礼などでは縁起物として用いられています。

 

 

両国、相撲の街

この通りには、いくつもの力士像があります。
江戸時代後期に、両国は相撲の街となりました。
相撲という伝統文化は、両国の街に根付き、今も受け継がれています。
お相撲さんとすれ違ったり、ちゃんこのお店がたくさんあったりと、両国界隈を歩くと、ここが相撲の街であることを実感しますね。

そして本場所開催の期間中、深い祈りと共に、両国の土俵の中には昆布が納められているのです。

 



昆布水で作るさっぱり野菜ご飯

さて、相撲と昆布の歴史を知ったところで、昆布ご飯のレシピをご紹介したいと思います。

 

1.
昆布水5ℓに、約2%の塩を入れて、食べやすく切った様々な夏野菜を茹でます。

温かい内に和風のドレッシングで和えてから、少し冷やしておきます。

 

2.
茹で汁も、昆布出汁に野菜の旨味が溶け合って、美味しいスープストックになります。
今回は、そこにオリーブオイル、絹ごし豆腐、玉子の白身、磨り下ろした蕪を流し込み、磨り流し風のスープを作ります。

 

3.
それに、浸しトマトとちんげん菜を煮た物を組み合わせて、硝子の器で、冷やしサラダを作りましょう。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

相撲と昆布の意外な関係や、日本文化と昆布のつながりをお分かりいただけたかと思います。


また、夏向きの昆布ご飯のレシピも、ぜひ試してみて下さい。
昆布を使って、このような健康レシピを毎日いただくと、体脂肪も一気に落ちてスリムで健康な体になると思いますよ。

 
 コラムニスト情報
岩佐 優
性別:男性  |   職業:昆布料理研究家

昆布料理研究家 岩佐優が目指すのは、
毎日の食卓に昆布料理物語を!
料理家が提案する昆布ライフ!
できるだけ始末して、料理して、
おいしくご飯を食べたいと願う全国の方々に
昆布料理の本物の料理、始末した昆布料理の真髄を提供することです。

安心して召し上がれる食材を選び、旬のものをこの今に味わい、
春夏秋冬ならではの料理を私が作っています。
昆布料理  うさぎや
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