エスカレーター式進学組は就職に不利?企業の採用担当者が見る、選考でのチェックポイントとは

執筆者: 藤田美智 職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)
はじめに

こんにちは、就職コンサルタントの藤田美智です。

 

「エスカレーター進学者」という表現、見聞きした経験お持ちでしょうか。
幼稚園→小学校→中学校→高校→大学という過程において、附属学校から受験しないで大学に進学してきた人のことを意味する造語なのです。

今回は、企業がそういった学生をどのように見ているかについて、お話しましょう。 

 

エスカレーター進学者は、就職に不利なのか?

大学の附属高校から、その大学に入った学生の就職は不利という説がありますが、その根拠とは、受験で苦労していない学生は採りたくないということです。

しかし、そもそも社会的評価の高い大学の附属高校に入るには、ある意味大学入試よりも過酷ともいえる高校入試を体験したことの証であるともいえます。
その前の段階の中学入試では、さらに大変な苦労をして附属に入ったという可能性もあります。 

 

幼稚園・小学校からのエスカレーター組

まず、幼稚園・小学校から大学までのエスカレーター組。

まことに失礼ながら、私も少し前までは、採用したくない一番手の方が、この経歴の持ち主でした。
しかし、良く考えてみれば、本人には何の罪もありませんし、実際この経歴の持ち主と一緒に仕事をしたこともあります。

そしてその人物評価は、Very Good!でした(因みに、その人物の大学は社会的評価で日本のベスト10くらいに入る大学です)。 

 

中学入試・高校入試から付属大学へのエスカレーター組

次に、中学入試・高校入試を経て、附属校から大学に入ったエスカレーター組。

社会的評価の高い大学であれば、それはそれで良いのですが、「なぜこの大学の附属校から他の大学を受けずに、そのままこの大学に入ったの?」という学生はNo Goodです。
というより、書類選考で一番先に落とされるタイプです。

この場合は、自己PRの欄に、その理由をきちんと(面接時の突っ込みネタとなるように)書いておくことによって、書類落ち回避を狙うしかありません。 

 

 

面接担当者が突っ込みを入れたくなるネタを提供する

めでたく書類選考を通過し、面接に進めた場合は、面接担当者が聞きたいと考えるポイントを提供することが、何より大切です。
私が面接で良く質問をしたのは、「なぜ他の大学は受けなかったのですか?」「なぜその学部を選んだのですか?」ということです。

最近は、他大学受験失敗組でも、エスカレーター進学を認める大学もあるようですから一概には言えませんが、受験に立ち向かわなかった人は、そのイメージとしてのマイナス分を何かの話題でプラスに転換する必要があります。

 

面接担当者を自分のペースに乗せてしまうことが大切

こちらが聞く前に、「高校時代、部活ばかりやっていて、成績悪くてこの大学(学部)しか行けなかったのです」というようなことを、最初の質問の回答の中にねじ込んでくる学生は印象に残ります。

次の質問は、どうしても「そんなに入れ込んだ部活とは、何をやっていたのですか?」となりますね。
面接担当者が学生のペースに乗ってしまう例ですが、こういう人物は、次に進む可能性が高くなります。 

  

企業は、学歴からチャレンジ精神の有無を読み取る

企業にとって好ましいのは、社会的評価はさほど高くない大学の付属高校から、受験で社会的評価の高い大学に進学している場合です。

そのままエスカレーターで進学出来る環境に甘んじることなく、チャレンジしたことを、学歴が証明しているからです。
では、なぜそもそもその高校を選んだのかを尋ねてみると、サッカーの名門校で全国大会に出たかったというような話が付け足されると、これはもう言うことなしです。 

 

最もイメージが悪い進学とは

さて、最もイメージが悪いのは、大学附属高校からその大学よりも社会的評価の低い大学に進学している場合です。
これは、選考の過程にすら入れてもらえません。

社会的評価の低い大学に、指定校推薦で入った場合も同様です。
採用する側は、チャレンジングな学生を採りたいと思っているので、何でこの大学に推薦で入ったのだろうと思うと、途端にその人への興味を失ってしまうものなのです。

この場合も、面接担当者のイメージを覆すネタを提供しなければ、逆転は難しくなります。 

 

おわりに

採る側からすると、この大学の、この教授の書いた本に感動し、直接薫陶を受けたくてこの大学に進学したというようなストーリーが、どうしても欲しくなってしまいます。

人物本位とはいいながら、全く学歴を見ずに採用を進める企業もやはりありません。

何かの基準でもって、ふるいにかけるしか方法はないのです。

学歴に限らず、何らかのマイナスイメージを抱えていると自覚出来ている人は、そのイメージを逆手に取るような逆転ネタを、ぜひ仕込んで下さい。 

 
 コラムニスト情報
藤田美智
性別:男性  |   現在地:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-55 プライム赤坂216 株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)  |   職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)

こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
お知らせです! 私の基本的な考えをまとめた「社員のモチベーションをUPさせるには」(PDF A4 6頁)を無料で返信メールに添付し、お送りします。ご希望の方は、上記mail addressに、資料希望と記してメールをお送りください。お金は一切いただきませんので、安心してお申し込みください。

 

 教育・学習のコラム

 ビジネス・経済のコラム