法王の城で頂く最高級ワイン。フランス南東部アヴィニョンのグランクリュ試飲会レポート

執筆者: 小野アムスデン道子 職業:美食旅ライター
はじめに

フランス南東部のアヴィニョンは、14世紀にローマから逃れた教皇クレメンス5世が教皇庁を置いて居を構えていたところです。

 

教皇宮殿や「アヴィニョンの橋の上で」という歌で知られるアヴィニョン橋など、美しい建築物が今でも多く残っています。 

 

アヴィニョンの風景。Atout France/Jean Malburet

 

南部ローヌ地方はワイン造りに適したところ

このアヴィニョン近郊のローヌ川の両岸には、シャトー・ヌッフ・デュ・パップ(フランス語で法王の城という意味)とタヴェルという、フランスでも最も古いアペラシオン(ワインの産地)があります。


ここは、ミストラルと言われるフランス南東部を吹く強風、石灰質の土壌、そして日照時間の長さなどがワインを造るのに適した場所なのです。 

 

シャトー・ヌフ・デュ・パップのワイナリー 

 

シャトー・ヌッフ・デュ・パップ「法王の城」

シャトー・ヌッフ・デュ・パップというと、熟成度の高い赤ワインのイメージがあります。

94%が赤ワインなのですが白ワインもあります。


ローヌ地方のグランクリュ(最上級ワイン)の試飲会で、珍しいシャトー・ヌッフ・デュ・パップの白ワインを頂きました。

ほのかな甘みと酸のバランスがとても良いワインです。


赤はどれも熟成度が高くて美味しい。

グルナッシュ(南仏のブドウ品種)らしくまろやかで、スパイシーな香りのワインが楽しめます。 

 

左端の白はシャトー・ラ・ネルトというグランド・ドメーヌ(ワイン生産者) 

 

ローヌ側を挟んだロゼワインの産地タヴェル

ロゼワインの出来るタヴェルも、シャトー・ヌッフ・デュ・パップと同じく玉砂利の土質です。

これらの砂利は、先史時代にアルプスからローヌ川の流れに乗って流されてきたもの。

 

昼間は熱が溜まりやすく、夜になると放熱するので、とても熟成度の高いワインになるのです。

試飲したロゼワインは、桜やスミレを思わせる美しい色、そして果実味がありながらドライな後味で、さすがグランクリュ。


ローヌ地方の赤、そして白、ロゼと南仏の大地が育てる素晴らしいワインでした。 

薄いピンクの透明感のある色ですが、味はしっかりと熟した感じがします。

 

 タヴェルのロゼ

 

会場となったキャーヴ・ド・ひらまつのフィンガーフード

 

 ワイングラスについた可愛いマーカー

 

おわりに

フランス南東部で生産されている上質のワインを紹介して参りました。

観光にお越しの際は、本場のフランス料理と一緒に、ぜひ最上級のワインもお楽しみ下さい。 

 
 コラムニスト情報
小野アムスデン道子
性別:女性  |   職業:美食旅ライター


海外・国内旅行、グルメ・レストラン、スパ、ライフスタイルの専門家
ロンリープラネット日本語版(メディアファクトリー)編集マネジャーを経て、旅を楽しむライフスタイルの提案を様々なメディアで執筆。日本旅行作家協会会員。

 

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