ADHDとアスペルガー、どちらの特徴にも当てはまる?「発達障害」の重複障害とは (1/2)

執筆者: 土田くみ 職業:医療カウンセラー
はじめに

こんにちは、医療カウンセラーの土田くみです。
発達障害について、今回は重複障害についてお話をいたします。


前回までは発達障害の中には、「ADHD(注意欠陥多動性障害)」と「アスペルガー症候群」に大きく分けてお話をさせていただきました。
チェックリストで当てはまることが半分くらいあれば、もしかして?と思うかもしれません。

 

しかし、落ち込まずに対処していく方法を考えていきましょう。

 

ADHDとアスペルガー、どちらにも当てはまる?

また、実はいくつかはADHDに当てはまったり、いくつかはアスペルガーに当てはまることもあると思います。
そういう場合ももちろんあります。それが重複障害です。

 

もとはどちらも自閉症圏の発達障害

ADHDもアスペルガーも、元々は、どちらも自閉症圏の発達障害です。
ですから、重複するところはありますし、自閉症的なところがあります。
そこはよくも悪くもこだわりともいえます。

 

実は健常者にも多い

重複障害をお持ちの発達障害の方は、とても実は健常者の中に多いのです。
ですから、発達障害というよりアスペルガー寄りの健常者、またはADHD寄りの健常者といっても良いでしょうか?
それを認識することで、少しは自分を落ち込ませることがなくなります。


特に自分の個性や特性だと思えばそれを利用して、起業をしたり、また社会とうまく付き合えるようになったりします。

 

 

重複障害とは

では、具体的にはどのようなことかをお話をしたいと思います。

 

アスペルガーの「部屋が汚い」理由とは

ADHDの方は、忘れ物が多く、部屋が汚い、あるいは片づけられないという特徴はあります。

 

一見、アスペルガーの方は、用意周到で抜かりがなく、神経質で几帳面という特徴があります。
しかし、アスペルガーの人はものを大切に取っておく傾向があり、ものが捨てられません。
使わない空き箱や頂きものの包装紙などもすぐには捨てません。


そうするとどんどん物は増えていきます。

そうしてものが増えるばかりで片付かなくなるのです。結局部屋には物があふれかえり、散らかっているということになるのです。
そういう点ではADHDの傾向になります。


そして人に片づけてもらったり、触れられたりするのが嫌なので、そのままになり、結局はものを積む、移動するだけになり物自体は少なくなりません。
そうしていつの間にか部屋が物置のようになってしまうということが起きるのも、アスペルガーの方の特徴です。

 

 

ADHDの「部屋が汚い」理由とは

それに比べて、ADHDの方の部屋が汚い、片づけられないというのは、どうしたら片付くのか手順がわからなかったり、逆に無機質に綺麗であるより、生活感があったほうがリラックスできるというおおらかな気持ちがあるようです。


杓子定規のような部屋より、程よく生活感があるほうが本人は落ち着くわけです。


そうしているうちに、ものをもとに戻すという行為をしなくなり、いつしか気が付けばとんでもないくらいの散らかりようになり、いざ大切なものを探そうとしてもどこにあるのかわからない、家探しをするということに陥ります。

 

特徴にぴったり当てはまるわけではない

こうしてもわかるように、単にADHDは散らかった部屋にいる無頓着な人、またアスペルガーの人は綺麗好きで几帳面ということが当てはまらないこともあります。
こんな風に自分なりのこだわりやルールがあるわけです。

 

人間関係でも重複した特徴を見せる

また対人面でも両方の面を持つ場合があります。


ADHDの方は社交的で誰とでも仲良くなれる。

そしてアスペルガーの人は人見知りをし、特定な人としかお付き合いをしない傾向がありますが、アスペルガーの人が人見知りをし、大人しいのは最初だけのことが多いのです。

 

 
 コラムニスト情報
土田くみ
職業:医療カウンセラー

Kumi心理カウンセリング研究所の土田くみです。
私は、医療の現場で様々な手法を用いて患者さんの心のケアに当たっております。
現在、芦屋、神戸、西明石で精神障害や発達障害、また医学界では慢性疼痛の研究をしております。
身近な街の心の医療カウンセラーとして皆さんのお役に立てたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。