お墓参りのやり方とマナー。時期、時間帯はいつ?持って行くものは?作法Q&A

お墓参りのやり方、分かっていますか? 行く時期、持ち物、お参りの手順など、一般的な基本マナーを紹介。よくある作法への疑問についても解説しています。

執筆者: 中山寒稀 職業:お葬式、終活ガイド
知っているようで知らない「お墓参り」のマナー

最近は、「お墓は持たない」と考える方が増えてきています。

その反面、お墓参りを大切に思う若い世代も増えてきているようです。

 

今回は、意外と知らないお墓参りのマナーを考えてみたいと思います。

 

 

お墓参りには、いつ行くべき?
時期

一般的に、お墓参りには以下のタイミングで行くものとされています。

 

  • 春のお彼岸
  • お盆
  • 秋のお彼岸
  • 年末(または年始)
  • 祥月命日(可能であれば月命日)

 

ですが、実際には、仕事の都合や遠方に住んでいるなどの事情もあり、それほど頻繁に行くことができないという方が多いのではないでしょうか。

 

実家に帰省した際や報告したいことができた時など、無理をしない範囲でお墓参りをして、ご先祖様に手を合わせたいものです。

 

 

時間帯

お墓参りの時間帯に決まりはありません。

 

他の用事よりもご先祖様のお参りを最優先にするという意味で、午前中に行くべきと考える方が多いようです。

また、霊園や寺院墓地の場合は、お墓参りができる時間に制限がある場合があります。

お墓参りの持ち物

一般的には、次のような物が必要とされています。

 

  • 線香
  • 生花
  • ライター
  • 掃除道具(スポンジ、はぶらしなど)
  • 手桶
  • ひしゃく
  • ごみ袋
  • お供 など

 

ただ、必要なものは、各施設により異なります。

手桶やひしゃくなどは、その施設で備え付けられていることが多いようです。

霊園によっては、売店で生花や線香が売っているなど、手ぶらでお墓参りができる施設もあります。

 

意外と忘れがちなのが、ごみ袋です。

ごみを捨てる場所がない施設は、枯れた花や雑草などを持ち帰らなければいけません。

必ず持参しましょう。

お墓参りの手順
1.寺院墓地であれば、ご本尊様にお参りをします。

 

2.各家庭の墓地に移動し、まず手を合わせ、清掃をします。
  • 枯れた花や雑草を処分します。
  • 墓石についた汚れを落とします。
  • 水を含ませた柔らかいスポンジなどで丁寧にこすります。
  • 墓石の文字の部分は歯ブラシを使うときれいになります。
  • 花立を外せる場合は、水洗いをします。

 

3.墓石に水をかけます。

後述しますが、水をかけてはいけないと考えるご家庭もあります。

その場合は、汚れを落とした後は、墓石を丁寧にタオルで拭きます。

 

4.生花やお供えをし、お線香をあげ、合掌します。

一般的には、お墓の高さよりも頭を下げてお参りをします。

 

ただし、洋型墓地など、最近は低いお墓が増えています。

その場合は、軽く頭を下げるようにしましょう。

 

5.帰る際は、おさがりとしてお供えを持ち帰り、頂きます。

 

お墓参りのギモン
Q.墓石に水をかけてもいいの?

A. 考え方によります。

墓石に水をかけることは、ご先祖様の頭から水をかけることと同じで失礼だと考える方もいます。

 

一方で、仏教では迷いのあるものが輪廻する六道の一つに、餓鬼道といわれる飢えと渇きに苦しむ世界があると言われています。

餓鬼はお墓にかけられた水だけは飲むことができると言われており、水をかける習慣があるご家庭もあります。

 

各ご家庭で受け継がれているやり方をすべきでしょう。

 

Q.墓石にお酒をかけてあげてもいい?

A.かけてはいけません。

お酒が好きだったご先祖様に飲ませてあげたいという気持ちはわかりますが、お酒やジュースなどは、墓石のシミになってしまうことがあります。

そのため、お酒を墓石にかけてはいけません。

 

Q.お墓参りは正装すべき?

A.正装は不要。

お墓参りの掃除は意外と重労働。

法事などの改まった席ではない場合は、動きやすい服装の方がいいでしょう。

Q.お願いごとをしてもいい?

A.いいえ、お墓参りの目的と異なります。
お墓参りはあくまでも、近況報告をしたり、ご先祖様に感謝し冥福を祈ったりするためのものです。

お願い事をする場ではありません。

Q.なんでお線香の炎を息で消してはいけないの?

A. 諸説あります。

仏様は、お線香の香りを召し上がるのだそうです。

それを穢れやすい人の口で吹き消すことは、失礼だと考えられています。

おわりに

お墓参りは、その家庭、その地域によって考え方が異なります。

親から子へ、ご先祖様を敬う気持ちとともに伝えていきたいものですね。

 
 コラムニスト情報
中山寒稀
性別:女性  |   現在地:埼玉県  |   職業:お葬式、終活ガイド

ライター、ドクターズクラーク、ファイナンシャルプランナー(CFP)の中山寒稀(なかやまふゆき)です。
主に健康、終活について書いております。

製薬会社退職後、保険代理店を経験し、ライターに転身。

著書:『人が死ぬということ
   …必ず起こる!弔いの「想定外」悲喜劇』(主婦の友インフォス情報社)
ブログ:ひだまりすずめ 中山寒稀のブログ
    http://fuyuci7.exblog.jp/