[驚くべき赤ちゃんの"ハイハイ"効果]ハイハイはいつから?ハイハイをしない子供には練習させるべき?

赤ちゃんの時期のハイハイは、発達のために非常に大切。大事なのは、始める時期の早い遅いではなく、どの程度ハイハイをしているかです。ハイハイをしっかりすることの重要性や、あまりハイハイをしないお子さんのために代わりとなる運動方法を紹介。

執筆者: 西村 猛 職業:理学療法士/子どもと姿勢研究所代表/神戸ことばとからだの発達相談室【ゆず】代表
赤ちゃんのハイハイは重要!体幹筋を鍛え、姿勢良く育つための基礎に

こんにちは、理学療法士の西村猛です。

今回は、赤ちゃんの時期のハイハイについて、その重要性をお話ししたいと思います。

 

始める時期より、しっかり行っているかが重要

赤ちゃんが歩行の前段階として行うのが、ハイハイ(四つ這い移動)です。


ハイハイを始める時期は個人差があり、7~8ヶ月程度が目安となりますが、もっと早い時期に始める子もいれば、9ヶ月頃になって始める子もいます。

始める時期が早いか遅いかはあまり重要ではありません。
それよりも、ハイハイをどのくらい日常の中で行っているかがポイントになります。

なぜなら、ハイハイは、体幹筋を鍛え、姿勢良く育つための基礎になる動作でもあるからです。

 

 

ハイハイは体幹(背筋)強化につながる

ハイハイを積極的に行うことで、強化される部位はどこだと思いますか?
それは「体幹」であり、体幹の中でも特に背筋となります。

 

ハイハイはどの筋肉を使う?

四つ這いの状態を保つのと違い、ハイハイは手足を片方ずつ動かして前に進みます。
つまり、前や後ろに体を移動させるためには、腕や足を持ち上げる必要があります。

この腕や足を持ち上げている時に、働く筋肉があります。

一つは、腕や足の筋肉ですね。
そして、もう一つが背筋です。

 

ハイハイ=背筋を使う動きである

大人でも、スポーツクラブなどで「四つ這いから片方の腕と、反対側の足を持ち上げてその姿勢を保つ」というような運動をすることがあると思いますが、これはバランスを保つ運動をしているだけではなく、背筋の運動でもあるのです。

つまり、「ハイハイを良くする=背筋を使う機会が多い」ということになります。
ですから、ハイハイを始める時期よりも、どの程度ハイハイをしているか、ということのほうが大事になるのです。

赤ちゃんの時期にハイハイをしっかり行うことで、次のような日常生活を快適に過ごすための基礎がしっかりと育ちます。

 

  • 大きくなってからの良い姿勢のための基礎作りができる
  • 体幹(背筋)の持久力が強くなることで、長時間椅子に座っていても疲れにくくなる など

 

ハイハイは、背筋をタイミングよく働かせる学習にも効果的!

さて、ハイハイが重要な理由がもう一つあります。
それは、「タイミングよく背筋を働かせる学習ができる」ということです。

 

ハイハイは体幹を安定させる練習でもある

四つ這いから移動しようと手や足を持ち上げた際、背筋に力を入れるタイミングがずれてしまうと、どうなるでしょう?
当然、体を真っ直ぐ保持することができずに、バランスを崩し、倒れてしまったり、グラグラと不安定になってしまいます。

そうならないためには、足や腕が上がった瞬間に、体のバランスを崩さないように背筋をタイミングよく働かせる必要があります。

こういった学習経験を繰り返す中で、「背筋をタイミングよく働かせ、不意に体が崩れそうになる場面でも、体幹を安定させる」能力が上達していきます。

 

 

やがて、歩くようになり走るようになった時、この背筋のタイミング良い働き(収縮)は、体のバランスを取ることにおいて、とても役立つようになります。

逆に、こういった背筋の働きが不十分なままだと、「バランスを崩しやすい」「転びやすい」などの問題につながりやすくなることもあります。

このようにハイハイは、手足の運動だけでなく、「背筋の筋力を強くする」、「背筋の働くタイミングを上達させる」という効果があり、体の基礎を作るためにとても大切な動作の一つなのです。

ハイハイをあまりしないお子さんには…
赤ちゃんの時期に、あまりハイハイをしないまま成長してしまったなら

もし赤ちゃんの時期に、あまりハイハイをしなかった子供さんなら、ハイハイに代わる活動を取り入れて、背筋の活動を促してあげましょう。


例えば、バランスボールの上に座らせたり、ボール(バレーボールくらいのサイズ)を両手で持ち、バンザイの位置まで持ち上げ、両手で思い切り遠くまで投げるなどです。

このような運動を行なえば、ハイハイと同じように、背筋をタイミングよく働かせる活動が行なえます。

 

 

ちょうどハイハイ期のはずなのに、あまりしようとしないお子さんには

また「ちょうど今、ハイハイをするはずの時期なのに、あまりしようとしない」状況なら、床の上にお座りをさせた状態で、おもちゃやボールを少し高い位置(腕を上に伸ばすと届く程度の位置)から渡してあげるなどすれば、ハイハイと同じように「背筋を働かせる活動」を行わせることができます。


無理やりハイハイをさせようとする必要はありません。

 

ハイハイをよくしているお子さんには、こういった運動は不要

もちろん、ハイハイを自分でよくしているお子さんの場合は、こういった運動を敢えてさせる必要はありません。
怪我のないような環境設定だけしてあげて、後は見守っていてあげるだけでOKです。

 

まとめ
  • 赤ちゃんの時期にハイハイをしっかり行えば、自然に体幹(特に背筋)が強くなり、よい姿勢が取りやすいなどの効果につながります。

 

  • またハイハイは、体幹をタイミングよく働かせることの練習にもつながりますので、歩行を獲得した後、バランスよく歩くことにもつながります。

 

  • ハイハイをはじめた時期よりも、日常の中でどれだけ行っているかということが大事になります。ハイハイをし始めた時期が遅くても、積極的に行っていれば心配ありません。

 

  • 赤ちゃんの時期にあまりハイハイをしなかったお子さんの場合は、バランスボールの上に座る、両手でボールを遠くまで投げるなど、他の活動の中で体幹(背筋)を使う機会を持たせてあげるようにしてみましょう。

 

  • また、今ハイハイをする時期なのに、あまりハイハイをしない、ということなら、おもちゃやボールを高い位置から渡してあげるなどして、背筋の活動を促すようにしてあげましょう。
 コラムニスト情報
西村 猛
性別:男性  |   職業:理学療法士/子どもと姿勢研究所代表/神戸ことばとからだの発達相談室【ゆず】代表

■子どもと姿勢研究所代表。
子供の姿勢や体の発達の仕組みや取組方法について、医学的視点をもとに、どなたにも分かりやすくをモットーに情報発信しています。保育士さん向け情報も。姿勢や体作りに関する講師依頼もお受けしています。
http://kodomotoshisei.kokage.cc

■神戸ことばとからだの発達相談室【ゆず】代表
言葉や体の発達に不安があるお子さんとママさんのための相談室です。
言語聴覚士や理学療法士といった、国家資格を持つスタッフがお子さんの発達を評価し、必要に応じて個別レッスンをするスタイルの教室を運営しています。
http://yuzu-kobe.jp

■「ムズカシイ医療の話を分かりやすく伝える」がモットーです。
こちらのコラムでは姿勢や動作のプロとして、身体のこと、健康のこと、姿勢のことなどについて「そうだったんだ」、「それは知らなかった」などあなたの日常に役立てていただけるようなコラム記事を書いていきたいと思います。
あなたが「普通」と思っていたことが「実は少し違っていた!」というお話が、きっとそしてたくさん出てくると思います。

■業務における講師活動
・武庫川女子大学文学部心理・社会福祉学科「リハビリテーションと障害について」(平成22年~平成25年、27年 フィールドインストラクター講義)
・高齢者への健康教室、生活介護施設での介護方法などの指導、小学校における車いす啓発、その他。

■取材・出演依頼
・関西テレビ「ANCHOR」:けん玉が体に及ぼす効果について
・テレビ朝日「中居正広のミになる図書館」:ストレッチの効果について
・スポーツをする子どもを応援するフリーマガジン「Spody α」:「体幹はカラダの基本」ページ記事
・その他(雑誌などのライターさんからの取材等)

■日本うんこ学会所属

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