和ハーブ「よもぎ」の効果効能!お茶やよもぎ蒸しなど、美容に嬉しい使い方

日本のハーブ「よもぎ」の効果効能と使い方。ヨモギは薬草としてお茶やお風呂の入浴剤、よもぎ蒸し、また生薬や漢方薬の原料としても用いられています。

執筆者: 田伏 将樹 職業:薬剤師(漢方薬・生薬認定薬剤師)
日本古来のハーブ「よもぎ」の効果効能と使い方

こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。

 

香りが強く、邪気を祓うものとして、昔から日本だけでなく、ヨーロッパでも魔除けになる植物として扱われていた、ヨモギ。

キク科の多年草で、その仲間は世界各地に自生しており、アジアでは「薬草」、ヨーロッパでは「ハーブ」として馴染みがあります。

 

現在でも、ヨモギは様々な方法で活用されています。

具体的に見ていきましょう。

春のよもぎ料理!食品として活用する

主に、春先の若芽を用います。

 

よもぎ餅、草だんご、よもぎパン、天ぷら など

 

香りと緑の色と、程よい苦みが、春を感じさせてくれる食材です。

 

 

民間療法としてよもぎを活用する

近くの道端や堤防の土手などでも、簡単に手に入りやすい薬草ですので、家庭での応急処置として、ヨモギによる手当てが行われてきました。

 

冷えによる腹痛や下痢のときに

煎じた液を飲みます。

 

虫刺さされや切り傷などに

殺菌や止血のために、生の葉の汁を患部に塗ります。

 

よもぎ茶をデイリーで。お茶として活用する

ヨモギは、お茶にして飲むこともできます。

日頃の健康維持のために必要な栄養を、手軽に摂取することが可能です。

 

よもぎ茶はカフェインゼロ

本来の茶葉とは違い、ヨモギそのものにはカフェインが含まれていません。

冷え症の方にはお勧めです。

 

よもぎをお好みのお茶に混ぜて飲んでもOK!

苦みがあるので好みが分かれるかもしれませんが、玄米茶やほうじ茶など、他の好きなお茶に混ぜて飲んでも構いません。

 

よもぎ風呂でリラックス。入浴剤として活用する

肌に良い薬草ですので、美肌や健康の効果を期待して、入浴剤としても使われます。

 

皮膚の痒みや湿疹を和らげる

皮膚の痒みや湿疹を和らげる効果があります。

痔の人にも良いかもしれません。

 

体を温め、血行を良くする

体を温め、血行を良くするので、次のような症状にも効果があると言われています。

 

  • 冷え症
  • 腰痛
  • 肩こり
  • 生理痛 など

 

ただし、熱いお湯に長時間浸かるのは、体力を消耗してしまうので注意してください。

 

韓国の伝統的な民間療法「よもぎ蒸し」の材料として活用する

韓国の伝統的な民間療法ですが、近年日本でもその健康法が話題となり広まりました。


首から下のマントのようなものに裸で入り、その中でヨモギやその他の薬草を煮て、その蒸気を皮膚や下半身の粘膜から吸収させるというものです。

よもぎを材料としたもぐさを、お灸として活用する

お灸(きゅう)に使用する「もぐさ」は、ヨモギの葉の裏の白い綿毛を集めたものです。
もぐさは、ゆっくりと燃えながら、そこに含まれる精油成分が皮膚に浸透していくものと考えられています。


経絡の上にあるツボに刺激を与え、気血の巡りが良くなります。

そのツボの場所によって、様々な体の不調を改善します。

よもぎを生薬として活用する

ヨモギArtemisia princeps またはヤマヨモギA.montanaの6~7月頃の葉の乾燥させたものを煎じて用います。
生薬名は「艾葉(がいよう)」と言います。


「艾」一文字でもヨモギやもぐさを表す漢字ですが、「艾」の字の「乂」は、「刈る」と同じように、草などを刈り取るハサミの形を表します。


心配事を刈り取ったり、病気を無くすことができる植物という意味が込められています。
下腹部をよく温めるだけでなく、止血作用や安胎作用があります。

よもぎを漢方薬として活用する

「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」という漢方薬に、艾葉、つまりヨモギが配合されています。
止血作用と、消耗した血を補うはたらきのある漢方薬です。

 

生理や出産のあとの出血がなかなか止まらないときなど、持続的に出血があって貧血ぎみの人に適しています。
婦人科の不正性器出血以外にも、痔による血便や、血尿などの症状にも使われることもあります。

 

健康と美容にいい「よもぎ」の使い方でした

以上のように、ヨモギには様々な利用方法がありますので、お好みのものを日常の健康のために取り入れてみてはいかがでしょうか。

ヨモギは体を温める作用があるので、どちらかというと冷え症の人の方が適します。
のぼせやほてりがあったり、血圧が高く熱しやすい人は、摂りすぎないようにしてください。


また、稀にヨモギによるアレルギー症状を起こすこともありますので、そのときは使用を止めて病院を受診しましょう。

 
 

 健康・医療のコラム