夏疲れをリセット!中医学(中国伝統医学)から学ぶ、秋の健康的な過ごし方

執筆者: 藤永知嘉子 職業:国際中医薬膳師
はじめに

こんにちは。国際中医薬膳師の藤永知嘉子です。


暦の上では秋ですが、まだまだ残暑の続く、初秋。
夏への名残惜しい気持ちでいっぱいですが、この時期に真夏と同じ生活を送っていると、体を整えられず、冬の不調へとつながります。
身体と心を秋モードに切り替えましょう。

今回は夏に引き続き、「秋の養生法」をご紹介します。

 

 

秋はどんな季節?

秋は夏に成長した植物が実を結ぶ季節。
すべてが成熟し、収穫を迎えます。
秋は夏の疲れを癒し、冬に備えて体を整える季節です。


自然界も陽から陰へと変わる時。
春・夏と陽気に満ち、外へ向けていた気持ちを内へと向けていきましょう。

秋のトラブルの原因

 

秋のトラブルの原因は「乾燥・夏の疲れ」
じめじめした暑い夏が終わり、秋は空気が乾燥しはじめる季節。
乾燥した空気は、呼吸器系や肌の不調を引き起こします。


そして、夏の疲れ。
暑さや湿気、冷たい飲食、冷房、夏バテなどによって、夏の疲れが溜まっている秋の体。
夏の疲れを引きずったままでは、秋に体力が落ちてしまい、冬に備えた体を作れず、冬の不調の原因になってしまうのです。

秋の養生法

夏の疲れが体に溜まり、空気が乾燥し始める秋。
秋の養生で大切なのは、まず乾燥を予防し、夏の疲れを癒して冬に備えて体を整えることです。

早寝早起きをする

夜が早く暮れ、夜明けは、まださほど遅くない秋。

自然に合わせ、早寝早起きを心がけましょう。
夏の夜更かしや寝不足で乱れたリズムを正しましょう。

乾燥を防ぐ

秋は空気が乾燥し始める季節。

乾燥した空気は、鼻や喉など呼吸器系のトラブルや、肌の不調をひき起こします。


また、夏に汗をたくさんかいた体は、ただでさえ水分不足気味。
秋は、まず乾燥を予防することを考えましょう。


鼻や喉などの粘膜を強くし、冬に風邪にかからないよう、免疫力をアップさせておくことも大切です。

  • 部屋の空気を乾燥させないよう、濡れたタオルや加湿器を活用
  • こまめなうがいや水分補給
  • 外出時にマスク
  • 肌の保湿をしっかりとする  など

 

気候の変化に注意

残暑の続く秋ですが、朝晩の急な冷え込みには要注意です。
体を冷やさないよう、衣類や寝具を調節しましょう。
夏のように窓を開けたままで寝ると、明け方の冷え込みで体はすぐに冷え、風邪を招きます。

 

 

夏の疲れを取る

暑さや湿気で夏バテになった体は、この時期とても疲れています。
夏バテを引きずったままでは、秋に体力が落ち、体を養うことができません。
夏の疲れを癒し、冬に備えて体を整えていきましょう。

 

  • 夏の熱を残さない

夏の間、冷房の効いた部屋で過ごして汗をほとんどかいていない人は、発散しきれなかった熱が体内に残っています。
体内の余分な熱は肺を傷つけ、秋の風邪を招きます。


残暑があるうちにしっかりと動いて、汗をかいて熱を発散させておきましょう。
汗をかいたらすぐふき取るようにし、体を冷やしてしまわないように。

 

  • 夏の冷えを残さない

夏の冷房や冷たい飲食によって、体には隠れた冷えが溜まっています。
冷えを溜めたままでは、冬の体調不良(冷え性悪化、咳など)の原因に。
まだ暖かい今の時期に、夏の冷えを解消しておくことが大切です。


気候的にはまだ暖かくても、薄着や冷たい飲食は避け、体を温めることに意識を向けた生活を始めましょう。

 

  • 夏バテの体に栄養補給

夏は食欲もなくなりやすく、あっさりしたものばかり食べてしまい、体が栄養不足になっていることもあります。
食欲の増す秋。

バランスの良い食事で、夏バテで弱った体に栄養を補充し、冬に向けた体づくりを行って下さい。

夏に弱った胃腸を養う

夏は冷たい飲食や湿気で胃腸が弱りやすい時期。
夏に弱った胃腸は、秋になったからとすぐには回復しません。
弱った胃腸に負担をかけずに、養う食事を心がけましょう。
寒い冬を元気に乗り切るために必要な免疫力も、胃腸の健康が重要です。

残暑で暑い日もありますが、冷たい飲食は控えめに、秋が旬の体を温める食材を採り入れていきましょう。
食欲の増す時期ですが、よく噛んで、食べすぎには充分、気をつけて下さい。

おわりに

秋の養生法、いかがでしたか?
これからやってくる冬に向けて、心穏やかに秋を過ごしていきましょう。