コルセット依存に注意!腰痛ベルトの正しい使い方と筋肉の鍛え方 (1/2)
前回のコラムでは、コルセットの中で、一般向けに販売している「腰痛ベルト」のメリットをお伝えしました。
腰痛ベルトには、腹圧を高め、姿勢を保持する効果、活動時の腹筋・背筋の代わりになる効果、着けることによって得られる安心感の効果があるとお伝えしました。
それにより、腰が軽くなったり、痛みを軽減することが出来るのですね。
今回は、その腰痛ベルトのデメリット、使用する際のポイントなどをお伝えします。
腰痛の軽減に有効な腰痛ベルトですが、デメリットもあります。
それは「常用することで腰痛が悪化する」ということです。
その理由はとても簡単です。
腰痛ベルトは、腹筋と背筋の代わりをしてくれますが、そのまま常用していると、腹筋や背筋を使わなくても腰を支えられるため、それらの筋肉を使う機会が減ります。
それが長期間に渡ることで、次第に腹筋、背筋が弱くなっていきます。
そうなると、腰痛ベルトを外すと、自分の筋肉で支えたり、活動することが困難になり、その結果腰痛がさらに悪化するということになってしまうのです。
そのため、腰痛ベルトを使うときには、同時にこれらの筋肉が弱らないように留意しておくことが重要です。
腰痛の予防には、腹筋と背筋の力が弱らないようにする、あるいは強化する必要があります。
その中でも日常の活動時に重要な役割があり、また腹圧を高めるために重要な筋肉である腹斜筋、腹横筋についてご紹介します。
腹斜筋は、お腹の横のにある筋肉で、ジャンパーのポケットの位置の辺りにあります。
この腹斜筋は、外腹斜筋と内腹斜筋という筋肉が重なって構成しています。
体の表面に近い方(浅層)が外腹斜筋、奥の方(深層)が内腹斜筋です。
腹斜筋は、体を捻る運動の際活動します。
日常生活での活動(例えば家事動作)などにおいては、体を真っ直ぐに曲げる伸ばすという活動は少なく、ほとんどが体の捻れを伴う運動です。
腹斜筋がしっかり動かないと、その活動時、腰に負担がかかってしまいます。
腹斜筋を鍛えることは、活動時の腰への負担を減らすことにつながります。
腹横筋は、腹筋の中で最も奥(深部)にある筋肉で、お腹の前だけでなく、外側から背側にかけて位置しています。
いわゆるコアマッスルと呼ばれるもので、体を曲げ伸ばしの動作を行う筋肉ではなく、姿勢保持において活動する筋肉です。
また腹斜筋と同じく、腹圧を高めることも腹横筋の大事な役割です。
腹筋運動のように仰向けに寝た状態から起き上がる時、体を捻りながら起き上がることで、腹斜筋を鍛えることが出来ます。
しかし、このような運動方法は避けた方が良いでしょう。
その理由は、すでに腰痛がある場合、このような運動を行うことは、より痛みをひどくしてしまうことがあります。
また、腰痛の予防として行う場合でも、腹斜筋に十分な柔軟性がないと、この運動が腰痛を引き起こすきっかけになってしまうことがあるのです。
また、腹横筋については、起き上がりの運動では効果がありません。
それよりも、しっかり背筋を伸ばして椅子に座り、その姿勢を出来るだけ長い時間保持してみましょう。
姿勢を保持する中で腹横筋を活動させることの方が、効率的で安全な方法です。
また、背筋を真っ直ぐに伸ばした状態で、しっかり深呼吸をすることも効果的です。
それに加え、普段から体を捻るなどの柔軟運動を行っておきましょう。
余談ですが、これらの筋肉を鍛えることは、腰痛の軽減や予防だけでなく、スリムなウエスト作りや、美しい姿勢になることにも効果があります。
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