季節の変わり目のメンタルを整えよう!四季によって生じる感情(精神)の変化とは (1/2)

執筆者: 藤永知嘉子 職業:国際中医薬膳師
はじめに

こんにちは。国際中医薬膳師の藤永知嘉子です。


寒さが増し、秋も深まってきました。
賑やかな夏から静かな秋へ移りゆくこの時期は、虫が鳴きだし、枯れ葉が落ち始め…。
なんだか無償に寂しげな気持ちになりませんか?


今回は、中医学の視点からみた、季節と感情の深い関係についてお話します。  

 

 

季節とカラダとココロの関係

季節の養生でもお話するように、中医学では、自然界と人間は深くつながっており、自然界の変化は大きく体に影響するとされています。

 

そして、ココロ(精神)とカラダも表裏一体であり、深くつながっており、影響し合っています。
つまり、季節(自然界)とカラダとココロは、全てつながっているのです。

感情も季節とともに変化する

春になって、何だかイライラ。秋になって、何だか寂しい。

このような感情に囚われてしまっても、春だから、秋だから、季節の変化に合わせて、人間のココロとカラダも変化しているのだと思えれば、悩むことなく気持ちも楽になりますね。
季節の変化と共に、身体だけではなくココロの養生もすることで、より快適に一年を過ごしましょう。

 

それでは、季節ごとに紹介していきます。

 

季節と感情
春:春と関係が深い感情は『怒』

 

暖かくなり、植物が芽吹き、動植物も活発に動き出す季節。

陽の気も満ちてきます。

 

また、卒業・入学・就職・異動など、社会での変化も大きい時期です。
それら自然界や社会の変化は、人にストレスを与えます。
春は、イライラ、落ち込み、やる気がでないなど、気持ちが不安定になりやすいとき。
『気』も上がりやすく、春一番が吹くように感情は吹き乱れがちです。

 

対処法

春は、心身共に開放的な気持ちで過ごすことが大切です。

ストレスや気持ちを押さえ込まず、冬に溜め込んだものを発散するように伸び伸びと。

 

深呼吸やストレッチで体の緊張をほぐしたり、香りの良いものでリフレッシュし、気の巡りを良くしましょう。
新しい職場で慣れずにイライラすることがあっても、気持ちを伸びやかに、素敵な新生活を送りましょう。

 

夏:夏と関係が深い感情は『喜・思』

 

植物が生い茂り、陽の気が一番活発になる季節。
夏を感じるだけで、なんだかワクワクしてきますよね。


楽しいイベントも盛りだくさんで、気持ちも体もフル活動になる時期。
しかし、この晴れやかな気持ちも高じると、興奮し過ぎてしまい、『気』も緩み、集中力がなくなってきます。
さらに、夏の暑さは人の心を揺さぶり、イライラもしがちです。

対処法

夏は気持ちもエネルギーも溜め込まず、外に向けゆっくりと発散させていきましょう。
怒ったり、焦ったりせず、心穏やかに過ごすことが大切です。


また、夏に弱りやすい胃腸は、『思』の感情と深い関係があります。
この時期に思い悩みくよくよすることは、胃腸の働きを低下させ、夏の不調につながります。
小さいことは気にせず、陽気に満ちた自然とひとつになって過ごし、夏を存分に楽しみましょう! 

 

秋:秋と関係が深い感情は『悲・憂』

 

植物は実り、収穫の季節。
陽の気は少なくなり、陰の気が増え始めます。
気温も下がり、植物は枯れ落ち出し、冬に向かって備え始める時期。
賑やかな夏が終わり、気持ちも何だか物寂しく、センチメンタルになりやすいとき。

秋は、春・夏と外へ向いていた気持ちを、内へと切り替えていきましょう。
陰の気が満ち、気持ちが自然と落ち着くまで、心は静かに穏やかに過ごすことが大切です。
感情の整理をするのにも向いています。

 

秋は気を消耗させ風邪を招く

また、『悲・憂』の感情は、『気』を消耗させます。
秋の気(エネルギー)不足は風邪を招きます。


憂鬱な気分になりそうな時は、鼻歌で気分を上げる、感動的な映画を観て思いっきり泣いてすっきりするなど、上手に気分転換しましょう。
また、物思いにふける秋の夜長を、あえて楽しんでみるというのも良いのではないでしょうか。