会社で障害者を雇用したけど、どんな業務サポートをすべき?事例から学ぶ企業の障害者雇用 (2/2)
障害者雇用納付金の対象事業主の引上げ、法定雇用率の引上げに伴い「そろそろ障害者雇用を具体的に検討しようか」という企業もあるかと思います。
どのような業種で、どのような職種で障害者を採用しているのか、気になるところですよね。
採用後の配慮も含めて、労働局の職業安定部資料の事例紹介より、一部ご紹介したいと思います。
- 障害の種類:聴覚障害
- 従事する業務:調理職
- 配慮している具体的な内容
1. 筆談ボートを活用。
2. 火傷等に考慮して、焼き音で確認することの少ない冷製料理の調理場に配属。
3. 関わるスタッフには状況を説明して、後ろから声をかけないように注意。
- 障害の種類:知的障害
- 従事する業務:店舗バックヤード(商品データの読み込みやストック商品の管理)
- 配慮している具体的な内容
1. 業務上の指示、相談ごとは店長が担当。複数の人から指示を受け、混乱することがないように配慮している。
2. 本人の習熟度に応じて、少しずつ業務を増加。
3. 業務マニュアルを作成して可視化をし、理解するまで説明。
4. 店舗での受け入れにあたり、ハローワークの資料を活用。周囲に、知的障害者の特性等を理解してもらった。
- 障害の種類:精神障害
- 従事する業務:店舗スタッフ
- 配慮している具体的な内容
1. 担当社員を定め、定期的に支援機関を交えて面談を実施。
2. 店長が支援機関と相談し、全社のマニュアル以外に、個人ごとにあったマニュアルを場合によっては作成。
3. 勤務時間は個人ごとに設定しているが、体調により随時変更。
4. 事業所や倉庫の一部に、静かな環境で休憩できる場所を用意。
5. 障害について、周囲に病名や症状を伝えるのではなく、得意なこと・苦手なこと、サポートしてほしい内容を伝えている。
おわりに
これらの事例から、雇い入れまでの事前準備と周囲の理解が、重要なポイントになると思われます。
雇い入れる職種、配属する場所が上手くいけば、職場のコミュニケーションの活性化も期待できるのではないでしょうか。
各ハローワークには、障害者雇用の相談窓口があります。
また、各地域の就労支援機関では、障害者の能力に合わせた職務の開発や、就職後の職場定着の支援などのサポートを行っています。
各機関と上手く情報を共有しながら、採用を進めていけると良いですね。
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