食品表示法の改正、何が変更された?栄養表示の気になるポイント4点 (1/2)

執筆者: 佐々智雄 職業:野菜ソムリエ/アスリートフードマイスター
アスリート、サポーターにとっての「食品表示法」とは?

こんにちは。アスリートフードマイスター、中級食品表示診断士の佐々智雄です。

 

2015年4月1日より施行となった、新しい法律「食品表示法」

施行から月日が経ちましたが、消費者の立場でどこが変わったか、認識している人は多くないかもしれません。


そもそも「食品表示法」自体も、食品表示を行う側の企業側の切迫感に比べ、消費者にはあまり浸透していないようにも思います。

 

 

現行の法律の、食品の表示に係る規定を分かりやすく一元化するのが目的

今まで食品の表示にかかわるところは、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」など複数の法律で定められていました。


それぞれ違った目的の法律で定められて分かりにくくなっていた食品表示を、分かりやすく一元化する。
これが「新食品表示法」の大きな目的でした。


ただ、それ以外に内容そのものが新たに追加されたところ、変更されたところも少なくありません。

 

アスリートの食事と「食品表示法」

アスリートの食事に関心を持つ人にとって、この「食品表示法」は従来に比べてどう変わり、また気にかけるべき注目ポイントはどんなところでしょうか。

 

食品表示をみて食品を選択する理由は2つ

私たちが普段の消費生活の中で、食品表示をみて食品を選択する動機には、「後ろ向きな理由」と「前向きな理由」があります。

 

後ろ向きな理由は「避けたいもの」を除外したいとき

衛生的な理由で消費期限を見る、また「食品添加物」「遺伝子組み換え食品」を含む食品を選びたくないときなどがそうですね。

 

前向きな理由は「積極的に食べたいもの」を選ぶとき

お気に入りの「産地」や「有機農作物」であることなどを選択理由にするときがそうですね。

 

 

アスリートにとっての選択理由は、やはり栄養?

アスリートにとっては、それらの選択理由の中でも、とりわけ「栄養」についての表示はモチベーションのひとつではないでしょうか。


「栄養」を表示している食品には以下のようなものがありました。(新法施行前)

 

 

保健機能食品

栄養成分の機能表示をできる食品です。

 

  • 栄養機能食品
  • 特定保健用食品(トクホ)

 

一般食品

栄養成分の機能表示をできない食品の中で、パッケージなどに栄養を多く含むことなどを強調表示したものがあります。
それから、「任意」で、熱量や三大栄養素、ナトリウムなどの「栄養成分表示」をした食品です。

 

菓子パンなどにも「栄養成分表示」が記載されているものがありますね。
カロリーや脂質の数値を比較して選ぶこともあるでしょう。

 

パンのような一般の食品を選ぶ時もあれば、アスリートは「サプリメント」として栄養機能食品の選択時に栄養表示を参考にすることも多いのではないでしょうか。

 

 

栄養の表示における気になる変更点

今回の「食品表示法」における「栄養表示」についての変更点の中で、アスリート含め、健康でいたい人にとっての「気になる点」に触れてみたいと思います。

 

1. 栄養成分表示の義務化

「一般加工食品、一般添加物」については、原則として今まで任意だった栄養成分表示が「義務づけ」されます。

(特例措置は除く)

 

  • 必須項目

熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量(ナトリウムに代わる表示)

 

  • 推奨表示項目

飽和脂肪酸、食物繊維

 

2. サプリメントなど「栄養機能食品」の対象となる栄養成分の追加

従来のビタミン12種類、ミネラル5種類に加えて、「n-3系脂肪酸」「ビタミンK」「カリウム」の3つが追加になります。

 

3. 国の審査なしで健康効果を表示できる「機能性表示食品」制度の創設

従来、食品に含まれる栄養成分の機能を表示できるものは「栄養機能食品」と「特定保健用食品」(トクホ)だけでした。


しかし、今回新たに「機能性表示食品」が創設され、事業者の責任において、「健康の維持増進に役立つ食品」の栄養機能性が表示できるようになりました。
※栄養機能食品に定められている栄養成分は対象外です。

 

 
 

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