季節湯を楽しもう!日本酒・柚子・昆布風呂の効能効果 (1/2)
こんにちは、昆布料理研究家の岩佐優です。
そろそろ鍋が恋しくなる季節です。
鍋を作るときにも、必ずと言って良いほど、出汁昆布を入れた水を沸かすところから始まりますね。
鍋が美味しい季節に楽しみたいのが、日本の季節風呂。
日本酒のお風呂、柚子風呂、そしてなんと煮込まれる鍋の材料のごとく、昆布風呂なんてものも存在します。
さて、日本人が世界の長寿国なのは、お風呂好きだからとも言われていますね。
お風呂に入って「ああ、気持ちが良い」と感じるのは、体内の気の流れが活発になった証拠です。
日本では、季節を味わいながら入浴をする「季節風呂」の伝統があります。
有名なところで酒風呂でしょうか。
酒風呂とは、お風呂に日本酒と粗塩を入れて入浴する方法です。
- まず用意するのはお酒と粗塩。
- その2つを熱過ぎないお湯(37度くらいのぬるま湯)に入れる。
- そして汗が出てくるまで、じっくり湯舟に浸かる。
- すると、日本酒のアルコール成分が血の巡りを軽やかにし、汗と共に老廃物も排出します。
お酒の量は、一合から一升瓶をまるごと入れるなど色々ありますが、体調に合わせてお好みでどうぞ。
日本酒2~3合、粗塩ふた掴みほどで良いと思います。
パック酒でも良いです。ただし、合成清酒はNGです。
清酒は大丈夫です。
特に疲れた時やストレスが溜まっている方は、日本酒5合、粗塩1キロを入れ、42度以上にならないようにゆっくりと入浴して下さい。
顔や頭も時々浸けて下さい。
途中、頭や体も奇麗に洗うと、ゴマージュ(角質落とし)されます。
お湯に浸かると毛穴が開き、血の巡りが良くなり、体内の毒素が汗と一緒に体の外に出るのです。
日本酒と粗塩を入れることにより、毛穴は更に開き、血行も良くなります。
- 保温や保湿効果
- 新陳代謝の促進
- シミの改善
- 美白効果
- 血行の促進
- 体内の老廃物の排除
- 肩こりや腰痛を和らげる
- 冷えの改善に
手足が冷えるだけでも辛いですが、腰痛・肩こり・頭痛、そして、便秘や生理痛、不妊症等も冷えが原因になっていることがあります。
お風呂に入ると体が温まりますが、冷え症の方の場合は、湯冷めをしてしまうという方も。
酒風呂は、お風呂から上がった後もポカポカが持続します。
老廃物を自然に体の外に追い出してくれるので、副作用やストレスのない自然なダイエットが出来ます。
冷えが改善されることで、便秘や神経痛、体のだるさが解消することも多いようです。
体の芯から温まるので、朝まで熟睡ができ、前日の疲れはすっかり取れます。
スッキリと目が覚めて、元気に一日を過ごせるようになるわけです。
日本酒に限らず、ワイン風呂、吟醸酒や、純米酒など、少し豪勢と思えるくらい入れると、香りが良くて、さらにリラックス出来そうです。
アロマ風呂も愉しいですが、日本独自の、日本酒を愉しむことも文化の伝承ですね。
波が打ち寄せる石ころだらけの海岸線に、何件か家が建っています。
そこは、北海道、知床半島の東岸、瀬石温泉よりさらに先の相泊集落にある相泊(あいどまり)温泉、露天の温泉です。
小石が続く海岸に、ポツンと温泉があり、小石の海岸を掘って木枠で浴槽が作ってあります。
海側は開かれていて、海を眺めながらお湯に浸かることが出来ます。
お湯は湯船の下から湧き出ています。
時化の時は、昆布が打ち寄せられ、湯船は昆布だらけになります。
少しなら良いのですが、あまりに多いと、昆布から出る油で温泉に入れなくなります。
この温泉は相泊(あいどまり)の漁師が、昆布漁で冷えた体を暖めるために作ったものなのです。
湯船の底の小石の間から熱いお湯が涌き出ていて、お湯は澄んだ食塩泉。
時々温泉の泡も湧いてきます。
お湯は源泉そのままで、かなり熱いので、5分も入っていられません。
体が熱くなると、外に出て潮風に当たるのです。
波の音を聞きながら、昆布の香りが鼻腔をくすぐります。
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